一日三時間睡眠で頑張る弁当店/これを美談にしてはいけない
私は夕方、家事などをしながら何となくニュース番組を流しているが、腹が立つ内容が多い。昨日は、個人経営の人気弁当店の奮闘話だった。円安と物価高の中、店長は睡眠時間三時間で頑張っている。
朝四時には厨房に入り、一人で仕込み。大変な毎日だが、喜んでくれるお客さんと大切な家族の笑顔を見たいから、頑張っているそうだ。
娘さんたちから「自慢のお父さんです」と言われて、思わず涙をこぼしていたが、私も別の理由で泣いてしまった。国民がここまで身を削って苦闘しているのに、政府も財界も何をやっているのか。
人間の痛みを全く理解していない。非情で冷酷だ。そもそも、国を豊かにして安心して暮らせるようにするための政治家なのに、存在している意味がない。やめてしまえ!
高収入で、自分達の権力と権益を守ることしか頭にない。そして大多数の人が困っているのに、一部の投資家は円安で大儲けしている。成功者は自分のことしか考えず、社会に還元しようともしない。
一方で、親を失った遺児を支援する「あしなが基金」などは、少ない収入や年金で暮らしているような人たちが支えている。子ども食堂然り、本来なら国がするべきことを、市井の人々が必死で行なっているのである。
ちなみにニュース番組が、「値上げで消費者も売る側も大変だ」と騒いだあと、女性アナウンサーの楽しげなナレーションで、節約術や節約の達人を紹介するのにも腹が立つ。そういう問題じゃない。
そもそも、3時間睡眠で頑張っているのを、涙と感動の安手の物語にすることが間違っている。だから菅前首相の気持ち悪い弔辞に、感動する人間が出てくるのだ。各局に抗議のメールを送った。