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話す気がない人の話をどう聞くのか

「聞いてください」
そう言って来てくださる方の話を、しかも有料で聞く仕事をしています。
それは実は入り口はとっても楽なんですよね。だって相手が話す気持ちで来てくれるので。
・まとまってなくてすみません
・バラバラな話なんですが
・あー、何言ってるかわかんなくなっちゃった
…こんな場面が多々ありますが、そんなのは「なにも問題じゃない」です。楽勝です。いくらでも脱線してくれていいし、まとめなくていいし、つながってなくても大丈夫です。

難しいのは、たとえば会社のご依頼で「◎年目の社員の話を聞いてやってください」とか「中途入社の5人の話を聞いてください」とか言われる場面のほう。相手はキャリアコンサルティングなんて知らないし、そもそもまったく望んでいませんから。

後者は、職場でよくある「面談」「1on1」と同じですね。
相手は上司に面談に呼びつけられ、会議室に微妙な表情で入っていって「何聞かれるんだろう?」って戦々恐々…っていう、ね。

「あの…何話せばいいんですか?別に悩んでませんけど」
困っちゃいますよね(笑)

私は外の人なので、まず、お仕事の内容から伺ったりします。
「どんなお仕事されているんですか?」とかね。
もちろん職種はこちらもわかっていますが、それを本人がどう表現するか、は大切な情報になります。
なにより、関係性がない相手に答えやすいのは「事実」ですからね。

もちろん、この問いに
「あー、普通の事務です」「営業です」のように、あっさり一言しか言わない人も(よく)います。それならそれで、
・普段はどんな流れで、何を主にしているのか
・今日はどんなことをしていたのか
そんな話を聞きながら「そういうお仕事って◎◎みたいなことが大変そうだなと思いますが、御社の場合はどうなんでしょうか?」とか「そうなると、営業との関係がポイントですよね。御社ではその流れって…」とかとか、仮説を持って問い返したり。これで「いや、そうじゃなくて」と言われてもいいんですよ。「ああ、そうなんですね。ということは…」って話を深められますから。

あるいは、
・いつからこのお仕事に?
・前はどんなお仕事を?
・この会社にはどんなきっかけで?
といった、仕事の経歴やここまでの経緯を伺いながら、人となりや仕事観を探っていきます。
このプロセスでは「とにかく受容」「相手の語ることを肯定」です。

ここまでで少しは話が弾むようになっていったら、今度はすこし「感情」に触れていきます。
・仕事していてたいへんだなと思うのはどんなとき?
・仕事していて面白いと思うのはどんなとき?
・今週は(今月は)どうでしたか。
感情が聞ければ、その感情はどんな出来事に紐づいているのかを探れます。そこからさらに問い返すとその人の価値観がうっすら見えてきます。それを言語化して、相手に確認を取っていきます。「それはこういう意味ですか」「そのときは~だから◎◎って思ったんですね」とか。
それが相手にとって「この人は話しても大丈夫そうだ。この人と話すと自分のことがよくわかるなあ」ということにつながっていきます。

ただ、この質問が抽象度が高くて話してくれなさそうだな~という人だったら(います)、上の仕事内容の質問から得られた具体的なお仕事の内容を使って「…とおっしゃっていましたが、月末で忙しかったんじゃないですか(答えを聞いて)たいへんですよね?」のような問いになることも。そうすると「そうでもないですよ」とか「そうなんですよ」とか「ま、いつもこんな感じなんで」とか反応がきます。
(こんな感じ…ってなんだよ!と心の中では思いつつ笑、根気よくさりげなくおしゃべりを聞くように粘ります)
「そうでもない」という人なら、その状況をどうとらえているのか(忙しくしたいのか変わらない日常に満足しているのかどうなのか、など)聞いていきます。反応があれば、相手を知る材料に使えますから。

一般的にはオープンクエスチョンのほうがいい、と言われますが、相手によってはそれを答えたくない、答えにくい、考えを整理するのが嫌、ということはよくありますので、あえてクローズドクエスチョンをまぜていくこともあります。誘導するのではなく、材料を集めるために、です。そして得られた情報から、またオープンクエスチョンに戻ります←これはダイジ。

質問に対する答えやすさで言うと
①知識・経験②感覚・感情③思考・考察④価値観・信条⑤決意・行動
の順と言われていますから、まして関係性のない相手にいきなり「どうしたいの?」って聞いたところで答えられませんよね。
(信頼関係の弱い上司・部下でも同じです)
それを意識して、①を聞きつつ②に入っていき、③を探って(確認して)④の言語化を手伝い、上手くいけば⑤に進む、という流れを意識しています。

もちろん相手のペース次第です。

逆に、相談したいんです!という方は
⑤「転職したいんです」から入ったり④「~なことはおかしいと思うんですよ」なんて始まることも多いので、逆に①「それはどういうときに?」なんて事実や経験を確認していくことが必要なのですが。

面談などの場面で、相手が心から「こうしたいと思います」と言えているか、それともあなたが「言わせているだけ」なのかは、この辺りを考えてみるといいかもしれませんね。
「①とか②とかは(部下のことだから)わかっている」とおっしゃる方ほど、多分わかっていないと思いますし、わかっていたとしても聞いていくことには意味があります。また、部下自身も④なぜそう感じているのかを自覚できてはいなかったりします。①に対する「見立て」や「判断」のなかに誤解があったり、ゆがみがあったりもしますからね。

どんな対話をしていますか?
どんな場面に困りますか?
ぜひ教えてください。一緒に考えていきましょう。


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