失敗のあとに「〇〇だったからだ」と感じるそれがあなたを左右している

「原因帰属」
わたしたちは起こったできごとの失敗や成功（成功もです）の原因を探ることがある。このことを心理学では「原因帰属」（原因を何かに帰属させること）という。この原因帰属の違いによって、モチベーションや感情、行動が異なってくると言われる（「行動を起こし、持続する力」外山美樹）

…ということで、
前回の続きです。

あなたは↓　どれを選ぶ？

自分にとって良くない結果が出たときに、
①今回はたまたま運が悪かったと思う方ですか？
②やっぱり自分はダメな人間なんだと思いますか？

誰かに誘いを断られたとき
③自分が嫌われているんだと思いますか？
④相手の都合が悪いんだなと思いますか？

原因、をどうとらえるか＝どう説明するか、にはその人のクセがあります。
①「今回はたまたま」＝変動的、「運が悪かった」＝外的
②「やっぱり自分は」＝安定的、「ダメな人間」＝内的
③「自分が嫌われている」＝普遍的
④「相手の」＝外的、「都合が悪い」＝変動的

変動的、というのは「変わるもの」「一時的なもの」「一過性」というとらえ方で、安定的というのは「常に」「ずっと」「いつも」というとらえ方、外的は外側に原因を見出し、内的は内側（自分）に原因があるととらえること。さらに、普遍的というのは一つの出来事をもって「全般的にそうだ」と思うこと。

よく、他責志向（人のせいにする）の人は成長しない、もっと自責（自分ごととして）で考えろなんていう。それは大切なことだが、過度の自責に「安定的」「普遍的」が重なると、「どうせ自分は何をしてもダメな人間なのだ。これは変わらないんだ」となって、成長とは逆の方向に進むことになります。他責で「変動的」にとらえる人、は成長の観点では問題だが（笑）、自尊感情は失われません（根拠なく自信があったりね★）

ではこれはどうでしょうか。

ずっと力を注いでやってきた事業が失敗したとき
⑤自分の努力が足りなかった。
⑥自分の能力が足りなかった。

⑤と⑥の違いは「努力（変動的）」か「能力（安定的）」かにあります。どちらも自責ですが、この場合⑥を強く思えば無気力につながりやすいが、⑤はやり方次第でしょう。報われない努力をひたすらやり続ける（無意味な作業を繰り返すとか、成功しにくい方法でただ時間をかけるとか）とそれはそのうち「やってみたけどダメなのは、自分の能力がないからだ。努力は無駄だ」となり、無気力につながります。けれども適切な支援を受けることや、やり方の工夫をしてさらなる努力をした結果、少しでも良い方向に向かえばそれは、新たな自信につながっていきます。「やればできる」＝自己効力感、にもつながるかもしれません。

実際、ナニカを失敗したとしても、その対象が「難易度が高すぎたから」ということだってありますよね。それを「自分には無理なんだ」と考える癖があるのか、「今回は無理だったけど、こんなに難しいだから仕方ない。」と考えるかによって、次にまた頑張ってみよう、となるかどうかは変わってくるでしょう。

成功であっても、同じことが言えます。才能がある人間だから成功した、ととらえる人は、裏返せば「失敗したら才能がないんだ」ととらえます。常に成功し続けているから自分は素晴らしい＝一度でも失敗したら自分はダメだ＝だから、成功確率の高いことしかしたくない…のようなことが起きます。外から見ていると「あなたのような人がなぜ、そんな風に思うの？」と思うような人、いますよね。

これらは起きた出来事を自分がどう説明しているのか、という習慣（くせ）です。そのくせによって窮屈だったり、自信を失ったり、無気力になったり、ということが起きているとしたら、それは一緒に解消できたらな、と思っています。

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