もうパンクする！ってなったときが進化のチャンスだよね

私にとって自分が激変したのはいつか、って言われると、一番は産休明けで仕事に復帰したとき、だと答える。
その瞬間ではなくて、復帰したその日からの1年くらいのこと。
それはもう別の人類になった？くらい変わった。

ああ、子どもが生まれて母としてのナニカが出てきて変わった、とかじゃないよ。そういうの全然ない（笑）。そうじゃなくて、きっかけは「物理的な制限」が爆誕したこと、だから。

今日たまたま聞いていた日経新聞企画のLIVE。
アクセンチュアの社長さんがいて、有識者が数人いて、アクセンチュア社の変革についてあれこれ聞き合うような場だった。面白かった。
そこで聞いた言葉は
「制限が人間を進化させるんですよ」ってことと、
「ハードワークが自己目的化しがち」…って話。
なにかというと、
ハードワークっぷりでは定評がある外資系コンサルティング会社のアクセンチュアがこの数年いかに風土を変えてきたのか、それによって何がどう変革したのか、よい結果として何が起きたのか、って言う話で、わたし個人として一番面白かったのは「元居た人」が風土改革前の働き方にちょっとした解釈を入れてメリットを語った後に、現社長がそれをにやりと笑って（私には軽く「古いな」って言ってるように聞こえたｗ）今の体制がもたらしたことの意味を改めて説明したこと。

それを受けて、有識者のお一人が言った言葉が
「制限が人間を進化させる」ということだった。

そう、ほんとにそう。
さまざまなイノベーションって、制約の中（困りごとのなかでもある）から生まれることが多い。でも、人は自ら自分に制限を掛けることがとても難しい。たとえば「～じゃなきゃ」「〇〇は必要だから」そんなふうに考えて、仕事も減らせないし、持ち物も減らせない笑

どうしたら減らせるかっていったら、
・絶対に残業してはならない　とか
・３LDKからワンルームに引っ越す　とか
ようは、外からくる制約があってのことなんだよね。

…という寄り道からの私の話。

それまでの私が1人で全部抱え込み（なんならプロセスを隠して）時間かけてやっていたことを、産後にこれじゃ絶対無理ってなって、仕事の進め方を大幅に見直して、ほぼまわりに公開することができるようになったのは、産休明け復職があまりにギリギリの状況だったから。
今みたいに多様なサービスもないし、そもそも周りに誰一人ワーママはいないし（という時代だからｗ）、上司も独身男性だし、って中で、仕事だけ半端に責任があって、外向けの役割をもらってて（それは嬉しかったんだけど←だから忖度しないで仕事振ってくれた上司は最高）、やりたいのに全然まわらない！ってなったことが大きい。

気持ちはめっちゃやりたい。でも、現実に子どもはしょっちゅう熱を出すし、それがなくても残業できないし（保育園のお迎えが18時！）、普通にパンクするよね。だからどうしても自分が出る必要があるもの、やりたいものを優先して、自分じゃなくてもいいと（無理やり）思うもの、やらなくてもどうにかなるものを見極めて、日々綱渡りしながら外部スタッフも巻き込んでどうにかこうにかやり切っていた…ら、気が付いたらうちのチームは隣のチームより残業時間がうんと減っていた。

それだけじゃない。
私自身の思考が大幅に変わった。
明るいうちに保育園に迎えに行けば、そこには普通にお父さんのお迎えもあって、帰り道のスーパーでもいろんな親子がいて、なんか自分の「当たり前」だと思っていた風景って、別に当たり前じゃなかったんだ、なんてことが見えるようになった。それまで「働く女性のための情報誌」を創っていたくせに、自分が見ていたものはいかに偏っていたのか気が付いた。
そして、世の中にある不条理、働き方の課題、あたりまえとされるものへの問い直し、そんな思考習慣が生まれた。

もっといろんな声を聞きたい。いろんな世界を知りたい。面白いことに出会いたい。当時の社内での評価を「柴田は残業できないから」という理由で下げられていた私が、完全に自分をダメ出ししなくて済んだのも、（自分に甘い私の性質とともにｗ）この思考チェンジのおかげなんだろうなと思う（じゃなかったら、多分市役所の採用試験180倍は突破できなかったｗ）。

ほとんどすべての人は、だいたい制約の中にいる。
対立する諸条件のなかでジレンマを抱えて「どうしろって言うんだよ」って中にいる。その中ですごく頑張っているあなたに言いたいのは、その頑張り方を一度止めよう、ということ。
1人じゃ無理⇒もっと頑張る、ではなく
1人じゃ無理⇒周りを巻き込む（社内）⇒もっと面白くしたいけど限界⇒周り（外）とのつながりを探す⇒さらに面白そうになる⇒それいいね、と人が寄ってくる、そんな循環を創れるかもしれないよ。

睡眠時間削ってでも絶対〇〇じゃなきゃだめ、と思えるうちはまだ「1人で頑張る」が作動している。「もう無理」ってくらいの制約を浴びると、そこに進化が生まれるかもね。

個人のことは、組織のこと、そして社会のことだよ。
ガンバリズムからはさっさと逃げて、０から「これやる必要ある？」「これ、このやり方じゃなくちゃだめ？」ってできたらいいね。
（そして今なら生成型AIさんが、相当助けてくれるんじゃないのかなあ♪）


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