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やらない理由で言ってることの、本当の理由はそこじゃないことを忘れない

「怒りは二次感情」っていうのはずいぶん知れ渡ってきた。

見えているのは「怒り」だけど、怒りの裏にあるものは「悲しさ」とか「寂しさ」とか「悔しさ」とか「やりきれなさ」とか「無力感」とか、ようはもっと色んなものが隠れていて、表出しているのが「怒り」としての表現なんだよね、ということ。
「なんでわからないんだ!」(怒)と言っている相手は怒っているのではなく、「わたしのことわかってほしい」(悲)ってことかもしれないし、
「お前ふざけんな!」と言いたくなっているあなたは、相手に伝わらないことへの無力感に打ちのめされているのかもしれない。

まあ、人は見せてるものが全部じゃない、
だから、ちゃんと聴く必要があるんだよ、って話。

いろいろな相談場面でよく起きていること、あるいは、身近な人間関係(親子とか)でよく起きていることもそう。

たとえばこんなケース。

ある人が「現状を変えたいんです。今の自分が~だから、このままだとキャリアが詰む気がしていて、そのために何をしたらいいか教えてほしい」と言った(そういう話はとても多い)。
その人の持っているもの、置かれた現状、さまざまな制約、そして興味や望みを聞いていくなかで、アイデアが沸いてきて伝えると、本人も「実は〇〇の方面に興味があるんです」と言う話になる。それは何よりだね、ということで「じゃあそのためにはこんな方法がありますよ。まず~をしてみたらどうでしょうか?」と提案してみると、「わかりました!」となる。
…なるのだが、そこから具体的なアクションイメージをすり合わせていこうとすると、とたんに口が重くなる。あきらかにブレーキがぐっと踏まれているのがわかる。

さて、この場面、あなたの親友なら、あなたの部下なら、あなたの家族ならどうする?

そこからまた時がたち、同じような話を聞く。
「私、このままじゃダメな気がして、でもどうしたらいいのかわからない」と。聞いたあなたは念のため、また確認する。置かれた現状に変化はあるのか、興味や望みはなんなのか…やっぱり同じアイデアにたどり着く。そして「…がいいと思うんだけどな」と伝えると「うん、わかった。そうだよね」と相手も答える。でもそこからまた止まる。今回はちょっと粘って説得してみる。「この方法が一番いいと思ってるんだけど、あなたもそういってたじゃん。あとはやるだけだってば。今動けば絶対にいいと思うよ」とか。
でも、「うん。そうだよね」と言って、あいまいな返事しか返ってこない。

あなたはこう思う。
・言いたいだけなのかなあ。やる気ないならもういいけど
・なんでやらないんだろう。本気じゃないんだろうなあ
・もういいや。この話はおしまい    とか。

怒りは二次感情、って話とつながっている、と考えられる人はすぐにわかるよね。この相手のためらいには、きっとまだ見えていない理由がある。そしてそれを本人も言語化できていないんだと。

頭でわかってても気持ちが動かない
そんなことはいくらでもある。私にも山ほどある。
その状況を前に動かすために、他者が全力で引っ張り上げたり背中を押したり、腕を引いたりしても、重い足がようやく少し進むだけで、自発的歩行にはなかなか移行しない。ましてや叱ったり脅したりしても無理だよね。人に言われるほどやりたくなくなったりもする(私の場合・笑)。

必要なのは本人が言語化できていない「ためらいの要因」を一緒に見つけることだ。「私って口だけで行動力なくてだめなんだよね」「次こそは頑張るから」なんて反省させるのではなくて(やりがち・笑)。

そこにあるのは未知への不安かもしれない。単純に「一つ目のカギをどう開けるのかわからない」ってことかもしれない(案外単純なことでつまづいたりする)。最初の一声を具体的にどう言えばいいか知らない、だけかもしれない。あるいは「変わりたいと言っているそのことそのものが、実は自分が変わりたいのではなく、周囲の誰かを変えたいだけ」なのかもしれない。「本当は大好きなのに上手くいかなくてそれが悲しい」のかもしれない。

いろいろある。
ほんと「あ、そこだったのね」がいっぱいある。
それによって、選ぶ方向はまったく違ってくる。

あるいは、その人のひっかかりは、相談されている側にとって「存在しないくらいどうでもいいこと」だったりすることもある。そうすると意識できなくて気づけない。経験値の違いとか、置かれている環境の違いとか、持って生まれた性格の違いとかでね。

だから聞く側は自分の普通を横に置かないと、相手の真の「ためらいの要因」には気づけない。そして「こうやればいいのに、こんなことをなぜやらないの?やる気ないの?」って思ってしまう。相手もそんな自分がわからなくて、でももう相談できないし、なんてことに陥る。

でも、相手に問いながら一緒に探っていって見つかったら、そこから「あ、だったら私〇〇できる!」と嘘のように進む瞬間がある。だって自分で見つけて自分で決めたのだから。それが一番力強い。そうなると、次に相談されるときには状況が進んでいる。「あのときのアレってなんだったの?」と笑っちゃうくらいに。
そういう人を、そういう場面を何度も見た。

私はこのことを絶対に忘れないようにしたい、って何度もいい聞かせている。言い聞かせているということは、うっかりすると忘れてしまうから。でも忘れていても、そういうときの相手はその無意識なブレーキ反応でちゃんと教えてくれる。そういうシグナルを見落とさないで、ちゃんと立ち止まる。修正する。

これは別にキャリアコンサルタントだから、ってことじゃない。親子だって上司部下だって友人関係だって同じこと(でも近い相手ほどむずかしくて全然できてないんだけどね)

キャリア相談したい、でも、何を相談したらいいのかわからない、というとき、多分自分の中でこんな感じの混沌が起きているので、「まとまってないまま・何を聞けばいいのかもわからないまま」そのまま来てください。それを一緒に探すので安心してね。


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