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【ライブ日記】tacica TOUR 2023 "ソコハカ"@umeda TRAD 2023.4.29

空気感をうまく書き表せないけど、忘備録として簡単に。

ライブ前

tacicaのライブ、好きだと事あるごとに言いながらタイミングが合わず2年も空いてしまった。
今回こそ参加するぞと意気込んで数か月曲の予習。アルバムリリースや昨年の「動物たちの遊戯」のようにコンセプトが明確なライブでもないのでこれまでの曲を総ざらい。定番曲を抑えるというより「自分に響く曲」を増やしていった。サブスクでこれ良いなと思ったらプレイリストに入れてリピート。
tacicaのファン歴で一番聴きこんだ期間だったと思う。

ライブ当日は昼頃に大阪に到着し、気になっていた店にぶらぶら立ち寄って過ごす。
予定を詰め込み過ぎると後に響くのは流石に学習したので、TRAD最寄の梅田周辺で完結させた。それでも時間はなんだかんだ押して開場まで休む時間を十分に確保できなかった。物足りないくらいのスケジュールにして素直にネットカフェとかでくつろげばよかったかもしれない。
開場時間の1時間ほど前からしとしと雨が降りだす。
物販用に十分な現金を下ろしてきておらず一番目当てのものが買えなかったのは反省。

感想

前回のtacica参加もumeda TRADだった。(三大博物館 Re:quest〜探求者の再訪〜)2021年2月のライブで、座席ありのソーシャルディスタンス順守だった。tacicaはコール&レスポンスもないし元々じっくり聴き入るタイプのライブだと思うのでそこは全然マイナスにはならなかった。
ただ当時の機材かセッティングかわからないが、ちょっと素直過ぎる音響で物足りなさを感じたのが正直な感想だった。(座った場所がそうだっただけかも)だから今回もTRADかーとか当初は思ってしまったり。

しかしそんな懸念は一曲目の”vase”で吹っ飛ぶ。今回は満足いく音圧!!
発熱”、”aranami”と続いてもう楽しい。さっき座っててもマイナスにならないとか書いたけどやっぱりオールスタンディングは良いね。

猪狩さんの使用ギターはテレキャスターが何本か、グレッチのデュオジェット、ギブソンのSG、そしてアコースティックギターを曲によって使い分けていた。(金糸雀MVのジャズマスターは登場しなかった)
どれも歪みは気持ち強めで完全なクリーンはほどんどなかったように思う。
今回フィードバック奏法(アンプとの共鳴で意図的にノイズを発生させる)を多用していたのが特徴的だった。どうやらアンプに近づけて鳴らすというよりは足元のエフェクターですぐ出せるようにしている様子。
BROWN”のイントロとかたまらない。

小西さんはプレシジョンベースタイプ1本を弾き通していた。タイトなジャズべとは違った太く存在感のあるサウンドがすごく良かった。私がtacicaを聴きだした頃はプレべを使っていたのでそれに回帰(?)した形で嬉しい。とはいえどっちもtacicaにはマッチすると思う。

ドラム中畑さんは期待通りパワフルな叩きっぷり。イントロがドラムスタートの”金糸雀”もバシッと決まっていた。バンドへの貢献度はサポートメンバーの域をゆうに超えていらっしゃる。

熟練のこの3人だからこそ出せる迫力なのだと振り返ってみてわかる。
音楽やってる人にはすごく参考になる音作りのバンドだと思う。(何目線だよ)


セットリストはお馴染みの曲とそうじゃないものの塩梅が絶妙。
ハイライト”や”DAN”は何度聴いてもいいしライブ映えする。
アルバム『singularity』リリースツアーに行けなかったので大好きな”デッドエンド”も初めてで感無量。
ordinary day”ではコロナ前に作った曲なのにずっと歌い続けている、というMCがあった。この数年間の生活を予期して作ったわけでもないのに普遍的で変わらず響く曲だということだと思う。終盤のリズム隊が加わるコーラスがぐっとくる。

前述のように聴きこんで参加したライブだったので、「セトリ入りして嬉しい曲」が以前にもまして増えたため非常に楽しめた。”JADITE”や”不死身のうた”辺りがそう。


tacicaのライブは客層が落ち着いていて好き。ライブを妨げるようなことは絶対しないし、中々言葉が出てこないMCも温かく見守っている。
通い詰めているわけではないがtacicaのワンマンライブは音楽に没頭できる空間が出来上がっていて安心感すらある。
それはメンバーのたしかな腕前と楽曲の魅力、それを理解するファンが作り上げたものだろう。
なんてまだまだ聴き込みが足りない私の感想でした。


言葉で伝わりきらないだろうがシンプルに良いライブだった。