最後のローマ人 スティリコ

こんばんは。
今日は、最近読んだ本で印象に残ったことと、それを読んでちょっと考えたことを書きたいと思います。
まず、スティリコって誰かって話ですが、ローマ帝国の末期に活躍した軍人です。僕が読んだ本は、塩野七生さんの「ローマ人の物語」です。
僕は、昔から、塩野七生さんの本が好きなのですが、塩野さんの著作の中でも、「ローマ人の物語」は最大のボリュームがある作品で、僕が塩野さんの本にハマったきっかけでもあります。スティリコは、ローマ人の物語の最終巻「ローマ世界の終焉」で登場します。
ちょっと前にテレビで「テルマエロマエ」を見たのがきっかけで、久々に当時がテーマの「賢帝の世紀」を読んだのですが、おもしろくて、ついつい最後まで読んでしまいました。

スティリコが活躍した時代のローマ帝国は、かなり力が衰えている時代で、度重なる蛮族の侵入に悩まされていました。そんな時代にスティリコは、蛮族の父と、ローマ人の母の間に生まれます。当時の考えでは、「蛮族」もしくは、「半蛮族」だとみなされていたようです。
スティリコは、ローマ帝国の軍人として活躍しますが、テオドシウス帝の時代から、将軍として力を持ち始めます。そして、テオドシウス帝がなくなるときに、息子のアルカディウスとホノリウスを託されます。細かい経緯は省略しますが、スティリコは、西ローマ帝国のホノリウスのもとで活躍することになります。一部のローマ人から、蛮族だと蔑まれながらも、スティリコは、ローマ帝国のため闘います。
しかし、長年活躍したスティリコに対し、非常に残念なことが起きてしまいます。オリンピウスという宮廷官僚が謀略により、スティリコの部下たちを殺してしまうのです。この事件が起こったのはパヴィアという町でしたが、当時スティリコは、ボローニャという町にいました。そこでスティリコには、ある選択肢が浮上します。
それは、ボローニャにいる軍を率いて、パヴィアを責めること。しかし、それを実行すると、スティリコはローマ人ではなくなってしまいます。皇帝に対して謀反を起こすことになるから、です。テオドシウス帝に、ホノリウスの保護を託され、そのことを誓った。その誓約を破るということが、スティリコにとっては、ローマ人ではなく、蛮族の行いであると考えられたのです。
結局、スティリコは、挙兵することはせず、ラヴェンナにいる皇帝に会いにいき、結局は、会えずに殺されてしまいます。
「蛮族に戻って生きる」ことよりも、「最後までローマ人の男として生きる」ことを選び、結局は殺されてしまったスティリコ。
死ぬかもしれないとしても譲れない一線があったスティリコ。

それを読んで思うところがあったのですが、ここまででだいぶ長くなってしまったので、続きは別の記事で書きたいと思います。

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