破壊的に料理センスがない僕に料理させてみたらエミレナータになれそうなので中間報告します
ある日突然、「アイスランドでキャンプするので会社を辞めます。」と訳の分からないことを言い会社を辞めて2ヶ月、アイスランドに来てちょうど1ヶ月が経った。
今日は一つ、重要でくだらない中間報告をするので是非参考にしてほしい。
もしかしたらこれは、何の努力もせず、短所を全面に振りかざすだけで、あなたもあの人気モデル「エミレナータ」になれるかもしれない。
木曜日の夜に、何も期待はせず、ソファで寝そべり、ポテチでも頬張りながら読んでほしい。
まずは冒頭で白状したいことがある。
僕は破壊的に料理センスがない。
実家を飛び出して5年半。破壊的に料理センスがないことに気が付いていながら、知らないフリを決め込み、外食5割、コンビニ飯4割、自炊1割の比率をキープして生活して来た。
自炊1割してたなら最低限はできるのでは?という問い合わせが既に来ているので先に回答を用意する。
答え:違います。
僕がしていた自炊は、料理センスが必要のないものだけ。
ちなみに僕の言う自炊にカップラーメンはちゃっかり含まれている。
僕がしていた自炊は、カレー、鍋、焼肉、サラダ、焼き魚、うなぎ丼。
味付けはおろか、煮る・茹でるなどの少しセンスが必要な行為も禁じていた。
さらにタチが悪いのがこの5年半、自分が破壊的に料理センスがないことを誰にも語らずに隠して生きてきた。
これは、100人中100人がミスったと分かる髪型に仕上がってしまった美容室で、美容師さんだけがベタ褒めしてくるあの瞬間くらいにタチが悪い。
さてここまでで、僕の破壊的料理センスの概要はうっすら理解し始めてもらえたと思うので、そろそろ本題に入りたい。
僕が1ヶ月以上生活しているアイスランドは”世界一物価の高い国”と言われている。
ホテルは1泊5万円するし、レンタカーは1日2万円を超える。
外食はランチで3千円以上、夜にバーで飲み会をしたら3万円は超える。
詳しい内訳はブログに分かりやすく書いてあるので参照してほしい。
この国で外食5割、コンビニ飯4割、自炊1割の比率で生活したらどうなるか?
勘だけは良い僕は初夜で気が付いた。
ついに自炊するしかない。
僕は今、人生の岐路に立たされている。
生きるか死ぬか。
自炊するか帰国するか。
冒頭の紹介にもあるとおり、僕は「アイスランドでキャンプする」と言う訳のわからない理由で、地位・名誉・預貯金を全て捨ててここにいる。
自炊ができないから帰国しますなんて、料理センスがないことすら白状できない僕には、絶対に、できない。
アイスランド初夜から急遽、生きるために自炊を始めた。
この国には米がないから、主食はパンにしてお肉を挟んでみたり、葉っぱにお肉を挟んでサムギョプサル!とホステルで高らかに叫んでみたり、卵と野菜を炒めてみたり。
あろうことか栄養バランスが偏らないようにフルーツまで食べちゃったりしてイキっている。
1ヶ月以上経って、体に大きな変化が現れた。
少し歩くだけ疲れる、何だか元気がない、常に空腹、そして鏡を見ると、めちゃくちゃに痩せていた。
僕はこれまであまりにも自炊をして来なかったせいで、自炊でお腹を満たすことができない体になっていた。
破壊的料理センスとは、料理の上手・下手だけではなく、分量もその一つなんだと考察できる。
僕はこの1ヶ月間、味が悪く分量の少ない飯を一瞬の空腹満たしにお腹に入れる、人の喜びを忘れたロボットのような食生活を送っていた。
体重計に乗っていないので不確かだが1ヶ月で5kgは痩せた。
このペースで行くと帰国時には175cm・45kgになる計算だ。
また、このペースで行くのであれば、僕はあの人気モデル「エミレナータ」になれるのかもしれない。
というくだらないことを考えながら、作った本日の夕飯がこちら。
これは目玉焼きではない。
ちゃんとネットで作り方を調べて作った、ゆで卵である。
初めて茹でた卵を、ワクワクドキドキしながら剥くと、白身が全て持っていかれた。
もう取り戻すことのできない白身をゴミ箱に捨てる時、少しだけ塩の味がした。
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