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#67 歴史と組織

先日、西野亮廣さんがVoicyで話されていてた「自律分散型組織の潰し方」という内容が大変面白かった。

小林啓倫さんの記事を引用し、まとめます。


かつて南米に、インカ帝国という広大な国家が栄えていました。ところがフランシスコ・ピサロ率いる少数のスペイン軍によって皇帝・アタワルパを殺されたことがきっかけで、帝国はあえなく滅亡。一方スペイン人はその後も勢力を伸ばし、メキシコから北米へと進出を試みます。しかしそこで出会ったネイティブ・アメリカン、アパッチ族の前に侵攻を阻まれ、ついに北米まで勢力圏を拡大することはなかったのでした―さてここで問題。なぜスペイン人はインカ帝国を制することができたのに、アパッチ族を制することができなかったのでしょうか?

中央統制型で強固なヒエラルキーを持つ組織を「クモ」明確なリーダーを持たず自律的に行動する組織を「ヒトデ」に例えて、ヒトデ型組織の力を考察しています。

インカ帝国:皇帝を頂点とする絶対的なヒエラルキーが確立されている「クモ型組織」。従ってピサロにアタワルパを殺されてしまうと、組織は脆くも崩れ去ってしまった。

アパッチ族:明確な指導者を持たない「ヒトデ型組織」。酋長という存在はいるが、酋長が全てをコントロールしているわけではなく、部族の行動に指針を与えているに過ぎない。従ってひとりの酋長を殺したり、一部の部族を殺しただけでは「アパッチ族」全体の行動を制することはできなかった。


アパッチ族の社会が崩壊した理由
アメリカ人は酋長に家畜を与えた。それは本当に簡単なことだった。ひとたび酋長が貴重な資源 -- この場合は牛 -- を手にすると、彼らの力は象徴的なものから具体的なものになった。かつて酋長は自ら模範を示すことで部族を率いていたが、資源(牛)を与えたり、与えなかったりすることでメンバーを律するようになった。

そして資源をめぐって部族の中で争いが起きるようになり、アパッチ族の力はしだいに弱まっていったと説明されています。つまり「持つもの」と「持たざるもの」が生まれることによって、フラットだった組織がフラットでなくなってしまったわけですね。


ヒエラルキーを持つ組織の強みと弱み。

私も高校野球のチームを指揮していた時、このことを強く感じた。

出来る選手が活躍する時は、強いチームだが、出来る選手が抑えられると、チームはたちまち弱体化する。

みんな出来る選手に依存していたということである。監督である私も同様に出来る選手に頼っていた。私は組織づくりを怠っていた。

人に依存しすぎない組織をつくる。
肩書きも時には組織にとって邪魔になる。

全てが自律分散型ではうまくいかないと思う。時にはリーダーの強い一声も必要。しかし、ここから学ぶことは多いにある。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
ドイツ初代宰相のビスマルクの言葉を思い出す。

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