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これまでの日本の政府開発援助(ODA)の成果と今後の課題について

JICA海外協力隊として派遣前訓練で学んだこと、今思うことを雑多に書いてみます。実際に任地での活動で考えが変わるかもしれませんがその時は適宜更新します。(2024.4)

1. これまでの成果

  • 日本は1954年にコロンボプランへの加盟以来、戦後賠償から始まり、技術協力、有償資金協力、無償資金協力といった資金援助・人材派遣・研修生の受け入れなどを通して、インフラ開発、水と食料の確保、医療衛生の促進や、人材育成(技術や知識の普及)など様々な分野で、これまで180以上の国に支援を行なってきた。

  • また、アジア開発銀行やアフリカ開発基金など様々な国際金融機関にも資金を拠出し、二か国間だけでなく南南協力のような経済途上国間での国際協力の発展に貢献してきた。

  • これらの援助を通して被支援国から信頼を得ることで、世界平和と、食糧や資源の安全保障、そして安定した豊かな文化・学術的交流の恩恵を受けている。

2.今後の課題

  • 昨今の国際社会において、極右政党の台頭や、武力による紛争が増しているなか、西洋諸国と民主主義理念を共有する唯一のアジアの国としてのプレゼンスは薄れてきている。

  • また国内においては、人口減少や経済成長の停滞、少子高齢化など国内で抱えている問題に対する国民の不満が大きく、海外の問題に対して日本の税金を拠出することに賛同する国民は多くない。それゆえ、防衛面の安全保障だけでなく、食糧安全保障や、資源安全保障といった国家の方針において国政選挙で争点になることがほとんどなく、国民一人一人の国際的視野が狭まっている(それどころではない)。

  • しかしながら島国で資源の少ない我が国において、食糧や資源の海外からの輸入は生命線であり、国際社会の平和は、文字通り自分自身の問題である。

  • 現在も世界各地で紛争、貧困、飢餓、自然環境破壊など問題は絶えないが、それらの問題を「海外の問題」でなく日本国民一人一人が「自分自身の問題」として受け止めることが国際協力への第一歩であり、ひいては我が国の安全保障として国家の指針になると考えられる。

  • ESG投資による情報開示によって、企業の取り組みが可視化し、また金融機関の監視もあり、児童労働・強制労働の禁止をはじめとした環境社会配慮確認は行われているが、私たち一人一人が、日常的に買ったり食べたりしているものがどこでどのように作られているのか、誰がどのような環境で作っているのか。私たちが「安ければいい」と思って買っているものは、海外で子供や弱者が酷使されて搾取される中で生産しているものではないか等、思いを巡らせる(想像力を働かせる)ことこそ、国際的視野の涵養に繋がると思う。

3.じゃあどうするの?

任地においては、日本のセールスマンとしての意識を持ち、自分自身をそして日本人に好意を持ってもらうよう、一生懸命活動に取り組むことが大事だろう。
併せて、自分の幸せだけでなく相手の幸せも願う「自他共楽」の精神を活動を通じて拡げていきたい。
また帰国後は現地で得られた知識や経験を基に、青年海外協力隊事業の普及浸透や、現地と日本の信頼関係の醸成に向けて、一人でも多くの日本国民に国際協力の大切さを伝えていきたい。

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