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【書評】NEW TYPE(山口周)を読んで①

先日、同氏の別著を読んで、刺激を受けた勢いで購入した「NEW TYPE」。

「https://www.amazon.co.jp/外資系コンサルの知的生産術-プロだけが知る「99の心得」-光文社新書-山口-周/dp/4334038360」

山口氏は、日本のビジネスの停滞を構想力の欠如、ひいてはそれが及ぼす問題の希少化が重要なイシューであるとして、論を展開している。


オールドタイプが「与えられた問題を解く」ことに長けている一方で、ニュータイプはまだ誰も気づいていない問題を見出し、それを社会に向けて提起します。


問題というのは、あるべき姿(ビジョン、ゴール)と現状の差分なわけだが、
自分自身、会社の施策に対して不満を持つことはあっても、ではどうすればいいのか、どこにいくべきなのか(ビジョン)を明確に持てていなかったということを感じさせられた。

上記記述に心惹かれたのは、今の自社、そして部署がビジョンを掲げているとは思えず、フラストレーションを抱えていたからだと思う。
果たして、自社の人材の中で、そのビジョンを示せる者は出てくるのだろうか?

ビジョンを作るのは誰か?
かっこよくいえば、それは現場の一人一人にも可能だということもできるが、それは一旦置いておいて、人事戦略を握っている経営にそのベクトルを向けて考えたい。

今の自社は、ビジョンを掲げられているとは私には思えないが、それは以下のような理由からである。
①ゴールが定量的な目標(売り上げ、利益)に終始している
②ビジョンめいたワードは存在しているものの、具体化されておらず、
 個々人の理解に任せられており、結果、只の「号令」「気合論」になっている

なぜ、ビジョンを構築できないのか?
それには、当社の人材采配に問題があると考えられる。

優秀かどうかというのは、時代や環境によって規定されるものであろう。

したがって、自社の文脈において「優秀な(とされる)人」が昇進昇格していく。

なぜなら、誰が昇進昇格するかを選ぶのもまた、オールドタイプの経営層だから。

ビジョンを構築できないオールドタイプが、自社の文脈的に優秀なオールドタイプ(=とにかく短期的売上に従事できる、問題解決型人間)を再生産していく構造が延々と続く。

結果として、いつまで経ってもビジョンは示されず、ただただ目の前の問題解決を継続していくことになる。

他方で、ビジョンを構築しようとする人間は、オールド体制への不穏分子として、処遇される。

今後への生かし方

オールド⇆ニュー、維持⇆変化、問題発見⇆問題解決などなど、対極にたって
物事を考え、一気に変えようとするから、軋轢が生じてしまうのだろう。

本当に自分が望む変化を実現するためには、正義感に燃えつつもしたたかに
未来を見据え、一人でも多くの仲間を巻き込む必要がある。

正義感に燃えすぎて、権力者に楯突いたり、他者批判をするようになっては、望む変化は得られない。

とるべき答えは、対極ではなく、両者の間に在るということを腹に据えて、日々を生きていこうと思う。

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