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【洋画】グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)

監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ロビン・ウィリアムズ、マット・デイモン、ベン・アルフレック、ステラン・スカルスガルド、ミニー・トライヴァーなど
上映時間:2時間7分

ロビン・ウィリアムズ&マット・デイモン主演映画「グッド・ウィル・ハンティング」鑑賞しました。2度目の鑑賞。マット・デイモンはなんと脚本も担当しています。天才かよ。

ボストン州マサチューセッツ工科大学のフィールズ賞受賞者で数学教授のランボー(ステラン・スカルスガルド)は学生たちに数学の難問を出し、黒板に書き残す。後日黒板に答えが書き残されていた。その答えを導きだしたのは学生ではなく、大学の清掃係として働いていたウィル(マット・デイモン)という不良青年だった。ランボーでさえ解くのに数年かかった問題を、ウィルはものの数分で解いてしまったのだ。

ランボーは彼を見つけ出す。彼はバーで暴力事件を起こし、弁護士を立てずに自己弁護していた。ウィルは図抜けた記憶力を持っていて、読む本の内容を全部吸収しているのだ。ランボーは彼を仮釈放して、彼を研究室に入れ数学者としての才能を開花させようとする。そして問題である精神面を構成するためにセラピーを受けさせる。

不真面目な彼に全精神科医がお手上げの中、ランボーは最後の頼みの綱として、学生時代の同級生で現在は不仲であるのショーン(ロビン・ウィリアムズ)にお願いする。彼は最近最愛の妻をなくしており、一度目の面会でそのことを見抜いたウィルは深入りしようとし、キレたショーンは彼の首を絞めかける。後日ショーンはウィルの防衛的な精神本能を指摘し、彼の心を揺さぶる。

一方ウィルはハーバード大学に通う女学生スカイラー(ミニー・トライヴァー)と恋に落ちる。しかし特定の人間と深い関係になったことのない彼は、いい関係を構築するも、最後の一歩を踏み出せずにいる。

何度見ても名作なんですが、二度目の方がより味わい深かった気がします。結末を知ってから見ることによる言葉の重みの変化や、自分自身の経年変化にも拠るのかなと。繊細な心情描写が特徴的なので、年を重ねて色々なことを経験する毎に、胸に来るものが多くなるのかなと。

シーンで言うと、やはりチャッキーの名場面。何回観ても泣けます。普段はふざけてばかりで真面目な会話なんかしないチャッキーだからこそ響くし、知らない間にいなくなっていてほしいっていうのも彼らしくてカッコイイ。切り出すときにサラッと「お前は親友だから言うけど・・・」っていうのもいい。前の場面でのショーンとの会話も効いているし、何よりチャッキーがウィルのことを大好きなことが伝わってきます。本当はウィルと一緒にいたいけど、彼の幸せを一番に考えているからこそ言える言葉なんですね。

こちらも言わずと知れた名場面ですが、ショーンとウィルの二度目の面談も素晴らしい。ウィルの抱えている問題を端的に提示するだけじゃなく、ショーンがどれだけ妻のことを愛していたのかが伝わってきます。「孤児である君の辛さは僕にもわかるよ。なぜなら『オリバー・ツイスト』の本を読んだからね。なんて言われたらどうだ?」。映画史に残る名言の一つです。

ラストも改めて観ると、すごく納得できます。一回目に見たときは、決まった仕事を蹴っているのはどうかと思ったのですが、このラストは初めてウィルが自分の意志で決断を下したということです。決まった仕事というのも「先生が進めているから・・・」といった感じで、その後彼の中で一番大切なことを再考したのでしょう。世間の価値観じゃなく自分の価値観に基づいて生きる、実はとても難しいことです。

役者陣も最高の演技です。マット・デイモンも天才的な頭脳を持つウィルを好演していますし、ロビン・ウィリアムズも緩急の効いた演技が素晴らしい。あの辺の空気をコントロールする力は、さすがコメディアン上がりだなと。チャッキー役のベン・アルフレックもカッコよかった!彼は「アルマゲドン」でも頭が弱くて男気のあるキャラクターを演じています。こういった役が非常に似合うんでしょう。

「グッド・ウィル・ハンティング」は天才少年のウィルと精神科医のショーンがセラピーを通じて心を通わせ、互いのトラウマを克服していく物語。脚本も素晴らしいし、名場面もたくさん。不朽の名作です。


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