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【洋画】愛と哀しみの果て(1985)

監督:シドニー・ポラック
出演:メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、クラウス・マリア・ブランダウアーなど
上映時間:2時間41分

ケニアが舞台の映画「愛と哀しみの果て」鑑賞しました。来月ケニア旅行を企画中で、前知識を身につけるために観ました。オリジナルのタイトルは「アウト・オブ・アフリカ」。

1913年。デンマークの貴婦人のカレン(メリル・ストリープ)は裕福だが未婚であった。貴族階級の暮らしにも嫌気がさしており、彼女は恋人の弟で友人のブロル(クラウス・マリア・ブランダウアー)に便宜上の結婚を持ちかかて、一緒に海外移住することを提案する。ブロルは経済的に不安定で、お金持ちの彼女の提案を受け入れ、二人はアフリカへ行くことを決める。

二人は英領東アフリカ(現在のケニア)に移住する。最初は酪農を始める計画だったのですが、ブロルは勝手にコーヒー栽培に変更する。そしてそのコーヒー栽培にも力を入れず、狩りに出てしばらく帰ってこない日々が続く。それでもカレンは次第に彼のことを本当に愛し始める。

そんなある日カレンは草原でライオンに襲われかけたところを、冒険家のデニス(ロバート・レッドフォード)に助けられる。彼女は彼と友人のコールと3人で夕食を取り、彼らに創作の物語を読み聞かせる。その話のお礼にデニスはペンを彼女にプレゼントする。

カレンは次第に便宜上の夫であるブロルを本当に愛し始める。ブロルも彼女の献身的な姿に惹かれ、二人は一晩を共にする。しかしある日カレンは体調を崩し病院に行くと、梅毒にかかったことが発覚する。実はブロルは他所でも女を作っていたのだ。

めっちゃ男と女やな~と。この物語に出てくるメインの男は二人、デニスとブロル。もちろんこの2タイプだけではありませんが、どっちとも典型的な男です。ブロルはお金も持っていなければ、浮気性でどうしようもない奴。一言でいうなれば「クズ」です。甘やかされた育ちと、性欲を制御できないという男のダメな部分が如実に表れた男です。

デニスは何にも縛られたくない、超自由人間。僕は完全にこのタイプです。このタイプは一見いい生き方をしているようにも見えますが、逆に言えば「すべてを諦めきれていない」ということ。作中でカレンがまんまこのセリフを言っていて、グサっときました。人生は短く、全てを成し遂げることは不可能で、そのためには選択をせねばなりません。その選択をせず、何も犠牲にしない結果は、エンディングがよく示しています。最後に犠牲を払うことになるんですね。

カレンもめっちゃ女ですね~。子供を産みたい欲求や、人に愛されたいという欲求、恋人を自分のものにしたいという考え方。これらを全面的に押し出すと男との間に溝が生まれます。デニスがそうであったように、僕もこのタイプは一番しんどいです(笑)。この三者の人間模様がよく描かれていて、興味深かったです。

そしてめっちゃアフリカに行きたくなりました!!サファリのシーンや、小型飛行機でケニアの大地を飛び回る映像は最高です。僕も初海外でアフリカに行ったのですが、自然のパワーって本当に想像を超える迫力です。後にオーストラリアやインドやエジプトなど色んな国に行きましたが、その時に見たナミブ砂漠の光景は未だに超えていません。日本からは遠くて行きづらい大陸ですが、人生で一度は行ってほしいと思う場所です。

「愛と哀しみの果て」は男女関係のねじれを上手に描いた作品。アフリカの大地のパワーも感じます。当時のアフリカの情勢(イギリス領東インド、ドイツ領東インド)などを少し知っておくと、より分かりやすいかと。


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