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ヘルプ商店街 ①

 何年ぶりの故郷だろうか。実家は地方で小さな商店を営んでいる。父はすでになく、ひとり残された母と犬が細々と商売を続けているはずだ。突然電話が鳴った。
「クミちゃんかい? お母さんが大変なんだよ。ちょっとヘルプに来てくれないかね」
近所の幼なじみのの声だ。重い腰を上げ片道5時間かけて帰省した。実家で私を出迎えたのは見知らぬ人物だ。
「ハーイ、スケットノ グエンデス。ハジメマシテ、オカアサンヲ イツモ オセワシテイマス」
傍らでロボット犬が
「わん、相棒です」
と吠える。予測に反して店はなかなか繁盛していた。それどころか商店街全体に活気があった。ただし
「イラッしゃいマセ、安いアルよ!」
「おニイサン、いいコがいるヨ」
店番というか呼び込みはいずれの店も明らさまに怪しげだった。
「母さん、いったい何があったの? 大変って聞いたけど大丈夫?」
ピンピンしている母にたずねた。
「町をあげてのヘルス商店街だよ。あたしにゃ流石にムリ、ヘルプ」

409文字

たらはかに様のお題に参加しています。

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