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星屑ドライブ ③

 誕生日にはいつもあのレストランに行ったんだ。ボクはお子様ランチを食べママとばあばはその様子を嬉しそうに写真におさめた。店は郊外にあり車で行くんだ。コックさんは白い髭のおじいさんだった。ボクは気がついた。毎年ママがコックさんに
「今年はどうでした」
とききコックさんは
「残念でした」
と答えるのだ。
「やっぱり星屑だよ」
あとでどういう意味? とたずねたら、タイヤ会社がドライブガイドのために美味しいお店に星をつけるんだけど、あのお店はダメだったのよ。と答えた。あんなに美味しいのに。
 もう一つ覚えているのが入り口に立っている人形で、そいつと背比べをするんだ。ボクの方が高い。するとおじいさんは人形の足を伸ばしたり高い靴を履かせたりしてボクと同じにするんだ。ばあばがこっそり教えてくれた。ママは昔ここで働いていたと。

素敵な話ね。いつか連れていってね伝説のシェフの店『星屑』と妻。あの店はもうないんだ。老人はおそらく僕の父親だった。

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たらはかに様の裏お題に参加しています。

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