見出し画像

キウイフルーツを襲う謎の病気の正体とは?【イタリア】

キウイフルーツのおいしい季節がやってきました。

値段もお手頃、すっきりとした甘みと酸味で、
個人的には大好きな果物です。
国内では10月下旬から11月上旬が一般的な収穫時期ですね。

今日はそんなキウイフルーツを襲う謎の病気についてのお話。

画像1

イタリアは世界2位のキウイフルーツ輸出国であり、
世界需要の15%以上を生産しています※1。

そんなイタリアでは、2012年ごろから
キウイフルーツの樹体そのものが枯れてしまうという
深刻な被害に悩まされてきました。

報告によると、イタリアのキウイフルーツ果樹園の10%以上
面積でいうと2,960haが壊滅的な状態とのことです※2。

日本のキウイフルーツ結果樹面積は1,900ha※3なので、
それがまるまる枯れてしまった以上の被害ということになります。
いやはや、恐ろしい被害ということが何となくわかると思います。

ちなみに類似の症状は日本をはじめニュージーランド
そして中国トルコでも確認されており※2、
決して他国のことだからと油断できるものではないでしょう。

イギリスのガーディアン紙にも取り上げられていますね。


さて一般に果樹類は、
苗を植え付けたその年に収穫できるものではありません。

何年も何年も、大事に育ててようやく
出荷できる量・品質の果実が得られるのです。
それが一斉に枯れてしまっては、農業事業者への負担は計り知れません。

キウイフルーツにいったい何が起こっているのか?

今、イタリアの研究者を中心にこの謎の病気の原因を解明するため
さまざまな研究が進められています。

次回以降、
現在の研究状況や、今考えられている仮説について記事にしていきます。

以上、最後までご覧いただき誠にありがとうございました。


参考文献

※1 FAOSTAT (2017) Food and agriculture organization of the United Nations. Rome, Italy
※2 SAVIAN, Francesco, et al. Studies on the aetiology of kiwifruit decline: interaction between soil-borne pathogens and waterlogging. Plant and Soil, 2020, 456.1: 113-128.
※3令和元年産キウイフルーツの結果樹面積、収穫量及び出荷量 農林水産省(acceced 2020.11.1)

最後までお読みいただきありがとうございます。よろしければ「スキ」、「フォロー」していただけると嬉しいです。