【中途半端な若者が、シン・二ホンを読んで決めたこと】

僕がこの本を読んだきっかけは他でもない、シン・二ホンアンバサダーの友人に「とりあえず読んでみなよ」と勧められたからであり、とりあえず読んでみた。

読み終わった直後の感想は「なんだこれ」。

僕は今、23歳。大学病院で臨床工学技士として働いている。
最近話題の、人工呼吸器とか、ECMOとかの医療機器を扱う人。
去年、大学を卒業し、社会人として働き始めたばかり。

僕は、『シン・二ホン』は大きく2層の読者に対して、助言する本だと思っている。

1つは学生層。

小学校から大学に属する世代には「未来の選択肢」が多くあり、これから広い海原に足を踏み入れていく人達。
君たちには希望がある。さぁ、自分だけの武器を手に入れ、この日本を再び立ち上がらせてほしい。協力は私たちがしよう、と。

もう1つはベテラン層。

30、40歳を超え「自分の武器」をすでに持ち、教える側、支える側として働いている人達。
これから日本をけん引していく次世代の子ども達のために、素晴らしい環境を整えてあげようではないか。それに協力してほしい、と。

そこで、僕は考える。
「僕はどちら側に入るだろうか」

新卒で社会に出てしまったので「学生」ではない。かといって、自分の武器は持っていないし、教えられるものもないので「ベテラン」でもない。

おやおや、どうやら僕はどちらにも属していないらしい。

とは言え、僕はまだ若い。だからこれから武器を手に入れていけばいいのだろう。

大学院に入って、また学びなおせばいいではないか。それか、企業に転職し、スキルを身に付けてもいいではないか。

しかし、また問題がある。

僕は大学卒だが、臨床工学部という「医療特化の専門学部」を卒業している。

なんと汎用性のないことか…

普通の理系、文系大学出身の方は知らないだろうが、医療系の学部は本当に専門的なことしか勉強しない。やるのは、せいぜい医学の英単語、高校生レベルの数学、初歩的な統計。

勉強時間の多くは、解剖学、生理学、生化学など、医療に必要な学問ばかりだ。(当たり前だけれど)

だから、『シン・ニホン』に書かれている素養という面では、全くといっていいほど未学習。病院では使える物ばかりだが、一歩外に出てしまえば、殆ど役に立たない。

(それでなぜ問題がないかというと、多くの人は病院で生涯働くからだ。わざわざ高いお金を払い4年又は6年かけて得た「国家資格」を使わない手はないと。)

さて、こんな「中途半端な若者」が『シン・二ホン』を読んだ結果「なんだこれ」と思ったわけだ。

「なんだこれ」にはいろいろな意味が含まれる。
・そんな考えはなかった
・え、僕はどうしたらいいの?
・若者に投げやり過ぎない?
・理想論だ! などなど

そこで、その答えを見つけるために、シン・二ホンアンバサダー(4期)に応募した。ちなみに、応募締め切りは、本を読み終わった翌日だった。
滑り込みセーフ。

思い立ったら即行動は僕の長所である。

講座を進めていくなかで、たくさんの人と議論を交わした。
僕の周りの方々は、行動力、学歴・職歴も高かった。

他人と比較してもしょうがないとわかっていながらも、そこに劣等感を感じずには居られなかった。

そんな方々の中で、自分は議論していけるだろうかと思っていたが、幸い趣味の読書が役に立ち、有意義な時間を過ごすことができた。たくさん本を読んでおいてよかった。

さて、講座を終えて、答えは見つかったのだろうか。

答えはノー。結局見つからなかった。

だって、同じ環境の人いないんだもん。

高校生の子はこれから学べば、1流の大学で素養を身に付けていけるだろう。

大学生の子は、東京大学、上智大学、一橋大学、学歴もすごいけれど、行動力もすごかった。

社会人として働いている方は、各々の武器を持ち、教育する立場としてすでに貢献している。

でも、この本と講座が無駄だったかといえば、それは間違いなくノーだ。

どこを見渡しても答えがないのなら、僕が答えになるしかない。

学生でもない、教えられるものもない、今までの積み重ねも役に立たない。

そんな中途半端な若者が、どうやって「シンニホン」を創っていくのか。

その道を僕が作ってみよう。できるかは知らないけれど。

読み返してみると、自分に酔ってそうな文で恥ずかしいけれど、これでいいと思う。

公言すると、逃げられない。
本を何度も読み返し、講座も終了したけれど、まだ自分がどう貢献するかわからない。

それでも、わからないなりに考えて、実行して、失敗して、また考えて、そうやって形にしていこうと思う。

もう僕は適当に働いて、適当にだらだらして、これからの日本に貢献しないという未来を送ることはできない。もし送ってしまったら、アンバサダーの皆さんにがっかりされてしまう。それは嫌だ。

言うは易く行うは難し、ということで、公言した後は行動あるのみ。

今取り組んでいる具体的なものは、データサイエンスの勉強、医療の深堀、そしてアンバサダーの方々との新しい創造(読書会や講演など)。

「データサイエンス」は、シン・二ホンの中でも重要と書かれていたが、僕が勉強を始めたのは、本を読む前。興味があったのと、医療に応用できると思ったからだ。

いまでは、もっと広い使い道があると感じ、より一層学ぶのが楽しくなっている。

「医療の深堀」は僕にしかできないことの1つだ。病院の外側に興味を持ってしまった僕だけれど、今は病院で働いている。それならば、そこで身に付けられるものは身に付けるべきだし、貢献できることは貢献したい。

それに、シンニホンを創造する過程でも、医療は欠かせないだろう。

「アンバサダーの方々との新しい創造」はこれから。一緒に仕事を手伝いたいとお願いしたり、一緒に何かやろうと話を振ったりしているところ。僕よりすごい人が目の前にいるなら、その人を喰って僕もすごくなろうという考え。

皆さん、おいしく頂かせてください。


さて、10年後の僕はちゃんと武器を持っているだろうか、シンニホンの創造に役立っているだろうか。とっても楽しみだ。


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