新渡戸文化中学校に行ってきました
先週末、東京中野にある、新渡戸文化中学校の授業公開を見学に行ってきました。(写真は多目的室)
元両国高校で「教えない授業」を実践されていた山本崇雄先生が現在おられる学校です。私が教育の世界に戻ろうと思った本の1冊が、『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』です。
「教えない授業」というと、何もしてくれず、放置なのかと思われるかもしれません。確かに従来ながらの文法の解説などはしませんが、学び方やさまざまな機会を提供し、一人一人のサポートを丁寧に行っていくやり方です。知識をわかりやすく伝達するというのではなく、生徒に伴走し、自らの学びをサポートをしていくスタイルです。
本当は、「これをやりなさい。」と指示したり、「これだけ覚えておけばいい。」というように教えるほうが正直楽とのことでした。子供たちが自らやる気になり、勉強に取り組むようになるように導くというのはむしろ難しい試みです。でも、そのほうが生徒たちがイキイキと自分の意志で学び始めるのですね。
今回は残念ながら、フィールドワークがメインの授業で、教室にはほどんどいらっしゃらなかったため、ふだんの英語の授業の様子は確認できませんでした。
近隣のカフェに出かけて行き、コーヒーの値段や看板、椅子の配置や照明、その他さまざまなことを調査し、カフェの実態を知るというものです。コーヒーの値段から単価を知り、原産地のことやフェアトレードのことなども探求していくとのことです。
でも、カフェから帰ってきたあと、先生と生徒たちの会話を拝見するだけでもいろいろと学びがありました。調査したことをグループでディスカッションしながらiPadで資料にまとめ、プレゼンするとのこと。
とてもイキイキと活発に意見交換をしているのが印象的でした。しかもこれらの取り組みをしているのは、若干中学1年生です。
また、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも活発で、の活動も行っているとのことでした。
例えば、脱プラスチックに関心を持つ生徒が、自動販売機を使って消費者を啓発できないかと、寄附型の自販機を考案。マイボトルに飲料を注ぐ設計に変えることで、浮いたペットボトル代を寄附するなどです。
今後、高校では「探求学習」というのが新学習指導要領の目玉の一つとなります。小学、中学も含め、日本の教育も今後はこの方向に進むのだろうと思います。
今後塾の授業の中でもいろいろ参考にさせていただき、取り入れたいと思える有意義な機会でした。
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