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思考力をつける「逆問題」とは?

先日の小学生の算数の授業のことです。


思考力をつけてあげたいと考え、仕組みを知らないと解けない、少し難しい問題にチャレンジしてもらいました。皆真剣に取り組んでくれました。自分の力でできた時の、子供達の「AHA!」の顔はなんともいえないです。


実は2020年以降の教育制度改革では、「思考力」というのがテーマの一つになっています。でもこの思考力をつけるにはどうすればいいのでしょうか?


たくさん問題演習をして、あらゆるパターンの問題の解法を覚え、同じような問題が出た時に備えるというアプローチでは、思考力がつけられるとは思いません。膨大な時間をかけて問題演習をした結果、似たような問題が出れば点数は取れるでしょうが、そうでなければ太刀打ちできないということになります。初見の問題でも解き方を導き出せる本質的な力が必要となります。


今回は思考力をつける2つのタイプの問題という観点で書いてみたいと思います。


法則から解を導く順問題

一般に学校で習うのは順問題というものです。計算問題などは、手続きの仕方がわかっていて、その通りに解けば回答が得られます。原因から結果を導き出すため、因果関係がわかっている場合に利用できるものです。演繹的といえます。


身近な例でいうと、レシピ(手順)通りに、食材を料理するのは順問題です。


結果から原因を推定する逆問題

今回やってもらった問題です。


答え(出力、結果)が与えられており、最初や途中の数字や条件(入力、原因、システム)を求める問題です。帰納的です。一般に順問題より難しくなります。


出来上がった料理を味わって、食材やレシピを当てるのは逆問題といえるでしょう。


逆問題を解くには、仕組みや背景、条件を理解していないといけません。そのため公式丸暗記で練習するだけでは解けません。


難しいといわれるテスト問題では、関数と図形の融合問題など、複数の法則や条件を使って解答を導くという順問題は多いです。しかし私立の入試問題では逆問題も出ています。そして2020年以降は逆問題がさらに増えるだろうと考えています。


柴塾では、知識や公式の背景となる仕組みを理解してもらうことを大切にしています。それは、パターン演習は膨大な勉強時間が必要になるのと、少し難しい初見の順問題や逆問題に対応できないこと、そして、将来あまり役に立たないためです。


社会における問題はほとんどが逆問題だからです。一部の分野では物理法則が使えますが、ビジネスや人間関係などは法則がわかっていることは少ないため使えません。同じ努力をするのであれば、将来も使える本質的な思考力がつくやり方で勉強してもらいたいと考えております。


まとめ

思考法といっても世の中にはいろいろあります。今回ご紹介したのは、オーソドックスな演繹的思考と帰納的思考です。そして、それぞれに対応した問題が順問題、逆問題とよばれるものです。


論理的思考というのは、AIが得意とするところですが、基本的なスキルは身につけておいたほうがいいと考えます。


学校で習う教科を勉強しながら、どうすれば思考力を身につけさせてあげられるか、これからもいろいろと探求したいと思っています。


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