自動車は一つとして同じものはない?!


先日、自動車の製造を担当されている方にお話をお伺いする機会がありました。


そもそも、自動車は工場でオートメーションで作られ、同じものが作られると思っていました。しかし、それは違うというのです。


設計上は同じです。同じ図面をもとに作られます。しかし実際に製造のプロセスでは、型から作られる部品は同じではなく、収縮やヒケなどの不良があったり、設計通りの曲面になっていなかったり、塗装なども同じではないというのですね。


もちろん基準は満たしていて、安全面で問題はありません。素人が見てもほとんど違いがわからない程度の違いなのでしょう。


でも、最新技術を用いても、細かいところでは同じものを作れない。計算通りにならないのですね。計算通りにならないものをなんとか高品質に仕上げる。日本の製造業が強い理由がここにもあるのだなぁと思いました。


このことを聞いてあらためて思ったことがあります。


それは、学校のテストのように、計算通りになること、唯一の正解が求まることはあまりない、ということ。それゆえに、子供達が正解主義におちいらないよう十分気をつけないといけない、という点です。


社会では、正解がない、その時点での納得解や最適解を求めるにすぎないのだというのは十分わかっていたつもりでも、ついテストでミスをしないこと、正解を得ること、点数を取ることに気を取られてしまうのですよね。


すごく気をつけているつもりでしたが、私自身も受験戦争、競争社会の申し子であり、子供達が正解を得られるとつい喜んでしまうところがあります。


でもテストは仮定があって成り立つもので、知識や能力を身につけた度合いを測る手段にすぎないという点、そして言葉は悪いですが、人が作ったゲームの一種でしかないという点をあらためて気づかせてくれるお話でした。


子供達が点数がいいだけで変なプライドをもったり、逆に点数が取れないだけで劣等感をもったり、正解主義におちいったりしないように十分気をつけたいとあらためて思いました。


もちろんサッカーの試合に勝ったら喜ぶように、ゲームとわかった上でテストの高得点を喜ぶのはありなんですけど。



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