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家庭でできる低学年の子への勉強面のサポート


小学生になって、初めて文字を習う子もいるでしょう。漢字や計算も習います。少しややこしい算数の問題も出るかもしれません。


大人から見ればとても簡単な内容なので、こんなこともできなかったら将来どうなってしまうの?と心配になるのも無理はありません。


でも、4年生くらいまでは、それほど心配する必要はないと考えます。むしろ、過度な勉強嫌いにさせないことが大切と考えています。


4年生では概数など難しい単元もあるので、そんなに甘くない、と言われる方もいるかもしれませんが、どこに目標を置くかだけの話です。すべての子が4年生のうちに、すべての単元を完璧にしなければならないと思えば、焦りも出るのかもしれません。でも中学生までにできるようになればいいと思えば、大した問題ではありません。


脳の性能を考えれば、さらに安心できます。人の脳というのは本当にすごいのです。このことは大学で人工知能を学んでいたときに痛感しました。


生まれたときはあんなにちっちゃく弱々しかった子が6年経ち、体に比べ大きすぎるランドセルを背負って学校に通っています。


6年間でハイハイから立って歩き、自分で箸を使って食べ、おしっこができるようになり、自転車まで乗れるようになっているかもしれません。ものすごい成長スピードであり、大人がこんなスピードで成長しろと言われたら大変です。ちゃんと毎日学校に通うだけでも立派です。


でも、親御さんとしては、勉強面でも何かしてあげたいと思われるかもしれません。周りのことも気になることでしょう。そして、できたら学ぶことは楽しいこと、と思ってもらえたらいいですよね。


私は、生きた知識を身につけてもらうためにも、以下の3つをオススメしたいと考えます。


1. 疑問が出たらすかさず一緒に調べる

「なんで、なんで?」という疑問が出た時がチャンスです。出来る限り早く図鑑等で一緒に調べるといいでしょう。


このとき、スマホでググるのではなく、可能な限り図鑑や百科事典で調べるといいと思います。索引などの使い方もわかるといいですね。子供が一人でいるときにも調べられます。


一手間かかりますが、子供が自分で調べる習慣がついたらいいですよね。


2. 遊びや生活の中に勉強の要素を入れる

そもそも小学校で習う内容は、日常生活に役立つ知識です。


どこかで、テストの点数を取ることが目的になり、日常生活で役立つ生きた知識を身に付けることというのがサブのようになってしまいました。でも、そもそも小学校の知識は日常生活の中で学ぶのが本来の姿と考えます。


そのため、勉強の要素は、以下のような形で、日常生活の中に意識して紛れ込ませることをオススメします。


お風呂で20まで数える(2才でもできる!)

 算数の基本は数えることです。折に触れ一緒に数を数えることをやっていると、数字の感覚が身につきます。例えば、お風呂で一緒に20数えてから出る、ということを毎日やっていると、2才の子でも20まで数えられるようになります。小学生での計算力にもつながるでしょう。


ケーキを切るときには分数を

 ホールのケーキやピザを切るときこそ、分数の出番です。2つに切ったうちの1つが1/2。3つに切ったうちの1つが1/3ということが、直感でわかると思います。さらに、1/4+1/4=1/2になることも理解できることと思います。1/2と2/4が同じであることがわかると、のちに「約分」を習ったときに直感的に理解できるでしょう。


漢字の語源を調べる

漢字がまるで生き物のように、意味や存在を感じるといいのではないでしょうか? すべては無理でも、いくつかおもしろい漢字については、語源などを調べたり、漢字をパーツに分解して、それぞれ見てみると興味がわくかもしれません。


カルピスがおいしい黄金比は?

何気なくカルピスをつくってしまいますが、カルピスと水をどのくらいの割合で混ぜるとおいしいか、試してみるのもいいかもしれません。カルピス1に対して4がいいとか、1:5がいいとか、といったところから、小学生が苦手とする「比」を理解するきっかけになると思います。


ドライブで、距離・速さ・時間

 ドライブ中は、話をする時間がたくさんあります。「あと何時間で目的地に着くの?」と聞かれたらチャンスです。目的地まであと100kmあって、今時速50kmで走っているから、何時間だろう? と一緒に考えてみるといいと思います。

 距離・速さ・時間は、わかりにくい単元です。「きはじ」とかの公式を覚えていなくても、時速50kmというのは、一時間に50km進むという意味だから、100km進むためにはあと何時間? という形で理解できれば、生きた知識になることでしょう。


高速道路で相対速度

 隣の車のほうが速いとか遅いとか、子供も興味が出るかもしれません。そんな時は、相対速度について話をするチャンスです。こちらが時速80kmで、隣の車が時速100kmで走っていた場合、こちらから見て、隣の車は時速20kmで走っているように見える。逆に隣の車から見れば、こちらは時速20kmで後ろに下がっているように見えます。絶対的なものだけでなく、相対的という概念を理解するのにも役立つでしょう。


買い物のときに、割引の考え方を

 買い物をするときに、20%オフとか、2割引とかを目にします。でもこの「割合」というのは、多くの子がつまづく単元です。そもそも2割引というのは何なのか、というのは、日常的に使う感覚なので、割合の公式を使わなくても、直感的に理解できることが大切です。


野球の打率から歩合の考え方

 野球をやっている子、野球観戦が好きな子であれば、何割何分何厘というのは理解しやすいかもしれません。ぜひ、何割というのが何%なのか、などを理解できるといいのではないでしょうか?


チーターはボルトよりどれだけ早い?

 先日、3年生になる息子に聞かれたので、一緒に考えてみました。わかっていることは、チーターはだいたい時速100km、ボルトは100mを約10秒で走るということです。わかっている情報から、筋道を立てて考え、解を導いていくのが、論理的思考(演繹的思考)の基本です。

 時速100kmということは、10分では何km? 1分では? mに直したら? というように考えていけば、公式など知らなくても暗算でざっと計算が可能です。「単位換算」も苦手とする子が多いですが、半分遊びの中で学べばすんなり理解できるのではないでしょうか?


ホットケーキを焼くときに、なぜふくらむの?

 ホットケーキを焼くときに入れるふくらし粉は、中学で習う炭酸水素ナトリウム(重曹)が原料です。熱することで化学変化が起きて、二酸化炭素が発生し、ホットケーキの中に気泡ができることでふわっと出来上がります。こんなところにも理科が含まれているのですね。


お風呂でモノを沈ませて、光の屈折を知る

 人形でも、割り箸でも車でも、お風呂に沈めると、縮んだように見えます。子供が気づいて、不思議に思うこともあるかもしれません。これは中学で習う光の屈折ですよね。こんなところにも教科書で出てくる学びはあります。 


お風呂の壁にビニールを貼り付けて、表面張力のすごさを

 お風呂の壁に水滴がついているときは、ビニール袋がくっつきます。これは主に水の表面張力の働きですよね。水はコップに並々と注いでもこぼれにくく、不思議です。理屈はわからなくても、あとで出てきたときにピンときやすいので、体験しておくといいでしょう。


陽の強さと、地球の自転

 先日、3年生の息子が水泳の帰りに「お昼になって太陽が高くなると、遠くなるのに、なんで暑いの?」と聞いてきました。うーん、いい質問ですね。

 そこで、地球が球形で少し傾きながら自転していることや、太陽との位置関係を握り拳を使って説明しました。さらに、地球が太陽の周りを公転していること。それで季節の移り変わりがあることなどを説明しました。

 これは中3で習う内容で、空間的にイメージしないといけないため、なかなか理解が難しい単元です。でも、疑問が出たときにざっと概要を知っておくと、あとで詳細を学んだときに理解しやすいのではないでしょうか?


スキー場で温度計を見たら、負の数の概念を

 負の数の概念もつまづく子が多い単元です。0°Cを基準に、プラスの温度とマイナスの温度を理解しておくと、中学校で習う負の数の理解に役立つでしょう。



いくつかの例をあげました。他にも無数に考えられますので、探してみるといいと思います。


この際のポイントは、子供が興味をもったタイミングで、ステップを経て丁寧に説明をする、ということです。


もちろん、これらのことをやるのは大変と感じられるかもしれません。でも、メリットもたくさんあります。


小3のうちの子の例で言うと、何にでも興味をもって楽しそうに取り組んでいます。


塾をやっているというと、ドリルをガツガツやらせたりしていると思われますが、それどころか「宿題をやりなさい。」と言ったこともありません。でも自分で考えて毎日やっていっているようです。テストもだいたいできているようですし、学校の先生からは論理的思考力が高いと言われたようです。


忙しい家事の合間に、勉強の説明までするのは手間はかかりますが、毎日「宿題をしなさい」と言ったり、テストの点数を心配するよりは、精神衛生上いいのではないでしょうか?


3. たまにはゆったり家族でダイニングに座る

低学年くらいまでは、お父さんお母さんと一緒に何かをやる、というのが楽しいものです。


そこで、3つ目のオススメです。


休日時間があるときにでも、テレビとスマホを封印して、家族全員でダイニングテーブルに座り、それぞれの好きなことをする、というのはどうでしょうか? 静かなカフェでもいいです。


静かな音楽をかけ、お茶を入れて、ゆったりと、静かにそれぞれが好きなことをする時間をもうけるのです。


お父さんは読書、お母さんはあみもの、でもいいと思います。子供は宿題をやってもいいし、絵を書いてもいいし、工作をしてもいいわけです。もちろん、会話も楽しむといいと思います。


静かな時間を楽しめるようになると、落ち着いて勉強するということにもつながりやすいと考えます。



同じようなことを書かれている人がいるのだなぁと思いました。


今は小学生が習い事や勉強で忙しくて大変です。


学ぶことが好きにならないまでも、嫌いになる子が減るといいなぁと思っています。


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