蝉と墓地と私
不動産鑑定士は墓地の評価もします
歴史を感じさせる由緒正しい寺院墓地や、山あいに近年開発された公園墓地等、様々な墓地をめぐります
そんな中ふと感じるのです
平日の昼、30度を優に超える暑さの中、そこにいるは蝉と墓地と私
何故か心が落ち着くような、そんな特別な感覚に捉われます
霊感とか、恐らくそのようなたぐいの話ではなく、何故か懐かしい、初めて訪れた地にも関わらず
普段ならやかましい蝉の鳴き声が心地いい不思議な気持ちになるのです
寺院墓地では歴史の古さを認識するため失礼ながら墓誌を見せて頂いております
墓誌とは、お墓に埋葬されている方の没年月日や戒名、俗名・年齢等の略歴を記した石版をいいます
すると「享保」「寛永」「安政」等、歴史の教科書で覚えた江戸時代の年号が刻まれており、いやが上にも何百年前のこの地の風景を思わずにはいられなくなります
更に進みますと、先の大戦にて御国のために亡くなられた方の墳墓も見られます
墓誌には「昭和20年7月」
あと1ヶ月早く終わっていたならば、と思いをはせる
時がたつのを忘れます
今年もその日が来ます
合掌
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