【現アパレル従業員によるシューズ豆知識】vol.18 「金具の番外」

野球ではつま先が削れやすいので、補強をすることが多いです。

一般的には、革を縫い当てる縫いPとか、あらかじめつま先の形になったものをはめ込んで打ち付けるPカバー、打ちPとかいったものです。

これ、実はソールの設計や金具の配置にも影響します。日本ではP革補強が当たり前なので、それをできるようにしていることがほとんどですが、アメリカにはその文化が見られないので、まず考慮されていません。

金具の配置に関して大雑把に言うと、P革可能にするには内側に寄せなきゃいけない。縫い付ける部分やカバーをはめ込む部分、スペースが必要だからです。

選手によっては足の内側に金具が欲しい、地面を掴んでいる感じがする、という意見もあります。
一方で、金具が内側に多く密集すると土が溜まって固まる、外側にある方が踏ん張りが安定する、という声もあります。

アメフトやラクロスのポイントスパイクでも、サッカースパイクが着用されることが多いみたいですが、専用スパイクはつま先の外側(先端)にポイントがあり、これがまず引っ掛かって一歩目の加速や切り返しにきく、というのもあるようです。
(サッカーは蹴るとき邪魔なので、あえて外している感じ)

ちなみに、アメリカにもつま先補強自体はあって、樹脂コーティングします。必要な範囲だけに、必要な厚みで、自分でも自由に手軽に繰り返し塗れます。

次回、「その他のスパイク」

※かなりはしょりながらなので、厳密には正確でなくてもご了承くださいませ。。。