日本におけるIWAI(インパクト加重会計イニシアチブ)の夜明け

これは、素晴らしい!ESGを企業の非財務的な価値の「情報開示」という次元から、次の時代の流れになっている「インパクト・メジャーメント」を会計制度に計上する動きに着眼すべき。と、COMEMOでも何回か提唱してきましたが、日本企業で、その第一号が登場しました。製薬会社のエーザイです。

自社のPBRの回帰分析をESGのKPIで行うと、
→人件費や研究開発が遅延してPBRへの関係性が認められた。
→であれば、年度を超える「投資」として考えられる。
→では、その金額を年度の「費用」から足し戻した利益の方が「見えない価値」を、財務的な利益より本質的に表しているのではないか。
というCFOの栁良平さんの斬新的な取り組みについて去年の秋に教えていただいたとき、これはハーバード・ビジネス・スクールの「インパクト加重会計イニシアチブ」(IWAI)と接点がありそうと直感が働きZOOM会議でお繋ぎしました。

それがトントンと話が進んだこと、本当にうれしく思います。

でも、これは、まだ始まりです。柳さんは今回のHBSとの共同研究で色々と新たに取り組むべき課題が見えてきたと思いますし、また、もっともっと多くの日本企業も、この共同研究に手を挙げるべきだと思います。

企業の「見えない価値」の可視化であるインパクト・メジャーメントを会計制度で反映できる日が訪れるときは、日本企業の万年割安感が払しょくされ、バリュエーションが向上する可能性があると考えます。

「知らないところで新たなルールが決まっている」のではなく、是非とも日本企業が積極的に、共に新たなルールづくりに参画していただきたいです。

IWAI(インパクト加重会計イニシアチブ)という概念が、もっともっと日本社会で認知度が広まり、「見えない価値」の可視化へつながることに期待しています。日本はIWAIの夜明けを迎えました。

#日経COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?