ウェルビーイングへのVOICEを上げよう

弊社コモンズ投信は、世界標準ではちっぽけな運用会社です。しかし、2008年に仲間たちと会社を起こした理由は「今日よりも、よい明日」という壮大なビジョンを実現させることでした。

そして、時々聞かれました。その「よりよい明日」とは何か、と。

私は「一人ひとりが自分の幸せな生活を送れること」と答えていました。

10年前には、「ウェルビーイング」という言葉は現在ほど使われていませんでしたので、私は「ウェルネス」と表現していました。2004年に仲間たちと開催した「金融の匠が考える豊かなライフデザイン」という三部構成セミナーで、「ビジョン」「ウェルネス」「ウェルス」についてディスカッションしました。http://www.shibusawa-co.jp/pr13/schedule.htm

その時から17年の年月を経ましたが、あの時にみんなでワクワクしていた将来が、ある程度、訪れているのかもしれません。少なくとも、金融や資産運用の役割は「ウェルスの向上」だけでなく、「ウェルネス=ウェルビーイングの向上」という「ビジョン」を掲げることは珍しいことではなくなっていて、時代潮流の本流になりつつあるからです。

融資先・出資先・投資先の有り方に判断することが金融=ファイナンスです。つまり、VOICE、声を上げることです。

「ウェルビーイングの向上」というVOICEを上げているところに、融資・出資・投資をすることは、「そうだね。それは大事だ」というVOICEを上げていることになります。

ただ、この世の中で多額のお金を動かすほとんどが、仲介者です。よって、機関投資家や年金基金は、お金の運用を受託している責任が生じます。よって、VOICEが特に上がらなければ、かつての時代の「ウェルスの向上」がデフォルトになってしまいます。

ただ、株主や将来の年金受給者が「ウェルビーイングの向上」というVOICEを上げれば、機関投資家や年金基金は、それに応える責任が生じます。「ウェルビーイングの向上」を達成するために、それに応じるための適切なリスクを背負う責任も生じます。

ということは、「今日よりも、よい明日」を実現させるためには重要なことがあります。それは、我々一人ひとりが、「ウェルビーイングの向上」というVOICEを上げること。

「日本の資本主義の父」である渋沢栄一は、およそ150年目に唱えました。「一滴一滴の滴が集まれば、大河になる。」ウェルビーイングへのVOICEを上げましょう。

#日経COMEMO #NIKKEI

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