新しい資本主義のWHERE, WHY, WHATとHOW

「新しい資本主義」って何だ。意味わからない。

こんな声が多かったと思います。新しい資本主義実現会議が発足してからの半年間、有識者メンバーとして討議に参加する機会をいただいきました。その立場から、自分なりに考えがまとまっています。

新しい資本主義が目指しているところ、WHEREは「成長と分配の好循環」です。「成長か」「分配か」ではなく、「好循環」を経済社会で促すことです。

では、そもそも何故、WHY、新しい資本主義が必要かと考えてときに、それは「外部不経済の是正」です。読者にとっては難し過ぎるコンセプトという判断があるのが理由かもしれませんが、このことを言及する報道を見たことありません。それは、とても残念なことです。これこそが新しい資本主義のパーパスですから。

簡単に言えば、今までの新自由主義的な価値観が撮り越してきた環境や社会的課題を資本主義に取り込むことです。

と考えれば、「新しい資本主義」の何、WHATが見えてくると思います。取り残さない包摂性ある資本主義、つまり、インクルーシブな資本主義です。「新しい」概念ではないかもしれません。しかし、これからの新しい時代には必要な資本主義だと思います。

それでは、実際に実行するHOWとは?それが、本日発表された実行計画に表現されています。色々な分野を網羅していますが、一つの軸を指せば、それは「人的資本の向上」です。

成長と分配の好循環には主役が必要です。誰が、この好循環をつくるのか。それは人です。

外部不経済をつくったのは人です。したがって、外部不経済を是正するのも人です。

誰一人も取り残さないためには、それには一人ひとりの想いと一人ひとりの行いの合わせて融合することが必要になります。

総理は文藝春秋2月号のグランドデザインの寄稿では、新しい資本主義で「世界をリードしたい」と表明されました。また、ロンドン演説では日本が来年のG7議長国になることへ意気込みも表明されました。

新しい資本主義は国内を含む、グローバルな視野でHOWという実行が展開することが重要だと考えます。

そういう意味では、報道が注目していない個別分野の検討を実行計画の最終案に組み込んでいただきました。「グローバルヘルス(国際保健)」です。新しい産業の成長戦略でもあり、日本の経済安全保障にも極めて重要な政策です。まさに、世界への「人への投資」であり、「成長と分配の好循環」のグローバル展開です。

グローバル展開がなければ、日本の真の「成長と分配の好循環」が持続的に実現することは,,あり得ません。

#日経COMEMO #NIKKEI

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