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天才虎川の未来予測物語 ~第2話 寮長はハーデス~

寮長はハーデス!
この大学寮は間違いなくカオスだ!

この物語は、大学時代に出逢った天才
虎川 零(とらかわ れい)の未来予測する
能力を可視化した物語
である。

私が知る限り、彼の予言が的中するのは、
限りなく100%に近い。

そこで私が考えた。
天才虎川の未来予測する能力を可視化すると
先見の明を養う事ができ、不安な将来を突破し、
永遠の安心を得る事ができる
のではないか!と。

時は2002年に遡る。私は某国立大学に
入学し、某大学寮で生活することに。
その大学寮で、私は天才虎川と出逢った。

入寮初日、大学寮では、新入寮生を歓迎する
地獄の祭り、略して新歓祭が開催されており、
初日は、10人1部屋の和室に連れていかれ、
挨拶回りということで、酒に酔った上回生が
次々に訪れ、むりやり酒を飲まされたり、
正座で話を聴かされたり、人格が崩壊するほど
イジられたり、それが徹夜で行われるという、
まさに地獄だ。

入寮二日目は、夕方5時丁度に、上回生は、
「7時まで散歩するぞ!ついてこい!」
と言われ、二時間散歩をすると思っていたが、
なんと14時間ひたすら散歩をされられる
という、これもまた地獄だ。

しかし、この天才虎川は、
上回生の「7時まで散歩するぞ」の発言から、
違和感を察知して、
散歩は、2時間ではなく14時間散歩、
途中で数時間休憩をはさみ、
昨日のようなイベントが行われる

と見事に読み切った。

当時の私は、虎川のことを全く信用して
いなかったので、

「何が違和感を察ししただ!
 嘘つけ!
 どうせ、上回生にこそっと聴いたんだろ!
 おい、虎川!
 白状しろよ!」

と、イライラしながら言うと、虎川が、

「愛鳥こそ、何だよ!
 何でこんな簡単なことが分からないんだ!
 こんなん、考えたら誰でも分かるだろうが!
 頭使えよ、愛鳥!」

と、まさかの反撃に合った。

この発言に流石の私もキレてしまい、

「虎川あああああ!
 ふざけんなよおおおおおお!」

と、大声で怒鳴ると、背後から、

「おい!一体何の騒ぎだ!」

と、上回生が仁王立ちしながら、
私を制止しました。そして、上回生が、

「愛鳥、どうしたんだ!言ってみろ!」

と言われたので、私は、

「14時間の散歩のこと、
 虎川にこそっと教えていませんか?」

と言ったところ、

新歓祭の極秘事項だぞ!
 新入寮生にリークする訳ないだろうが!
 なんで、虎川が知っているんだ!」

と上回生が言った瞬間、虎川が、

「7時まで散歩するぞ!
 って言ったじゃないですか。
 わざわざ言う必要ないですよね。
 こんなん14時間散歩するって
 バレバレですよ。

と、さらりを返しました。
すると、さっきまで偉そうに仁王立ちしていた
上回生が急におどおどしだして、逃げるように
この場を立ち去った。

その後、10分ぐらいが経過したのだろうか。

カラ~ン、コロ~ン
カラ~ン、コロ~ン

と下駄でゆっくり歩いて来る音が聞こえてきた。

カラ~ン、コロ~ン
カラ~ン、コロ~ン

と、下駄で歩いて来る音がだんだん大きく
なっていくに連れて、さっきの上回生とは
比べものにならない人がここに来る!
私は怖すぎて体の震えが止まらなくなった。

カラ~ン、コロ~ン
カラ~ン、コロ~ン

私以外の新入寮生も、恐怖で泣きそうな顔を
している。
下駄の歩く音だけで、恐怖で押し潰されそう
になったのは、生まれて初めてだ。

カラ~ン、コロ~ン
カラ~ン、コロ~ン

威圧的な下駄の音がどんどん大きくなっていく
に連れ、私の心臓の鼓動も大きくなっていく。
恐怖で心臓が張り裂けそうだ。

カラ~ン、コロ~ン
シーーーーーーーン・・・・・・・・・・・

んっ!急に下駄の音がしなくなった。
そう思いきや

バーーーーーーーン!!!!!!!!!!!

と扉を思いっきり蹴り、扉が開いた瞬間に
開口一番、

寮長の夏目だ。
 虎川、誰に聞いたんだ!
 悪いようにしねえから、正直に言え!」

と威圧的なオーラーをまといながら言った。
4回生の夏目 完(なつめ かん)
当時、私が住んでいた大学寮の寮長、
つまり、この寮のトップに君臨する男

夏目 完(なつめ かん 仮名)のイメージはこちら

見た目は、お世辞にもカタギとは言えない
前回の物語で、4回生は『神』と言ったが、
その神々のトップに君臨する寮長の夏目を
例えるなら『ハーデス』が相応しい。
もしも、そんな夏目に目をつけられたりでも
したら、それは『死』を意味すると私の寮
では噂されていた。

しかし、虎川は、ハーデス夏目に向かって、
まさかの暴挙に出るなんて、真横で見ている
こっちが気絶しそうになった。

虎川は、ハーデス夏目に向かって、

簡単なことを簡単に考えただけなのに、
 誰に聞いたんだ!って何ですの?

 ここの大学ってそこそこ賢い人が行く
 大学ですよね!
 
 そんな大学寮の寮長さんが、
 誰に聞いたんだ!って頭悪すぎでしょ!

 7時まで散歩するぞ!ってわざわざ
 分かるように言ったじゃないですか!

 毎年60人の新入寮生がこの大学寮に
 入寮するんでしょ!
 計算すると4年で240人で明らかに
 部屋の数が足らないじゃないですか!

 だから、毎年半分以上の寮生が
 耐えきれず出ていくシナリオ
でしょ。
 で、初日は徹夜で、二日目がたった
 二時間だけ散歩するって意味不明で
 しょうが!

 夕方5時丁度に、7時まで散歩するぞ!
 って言われたら、朝の7時まで14時間
 散歩するに決まってるでしょうが!

 簡単なことを簡単に考えただけなのに、
 誰に聞いたんだ!って頭悪すぎるでしょ!

 夏目さんが寮長だとすると・・・
 いや、待てよ!

 さては僕を罠にかけようとして
 いるんでしょ!
 絶対にダマされるもんですか!

 冷静に考えると、寮長がそんな
 知能指数が低いことを言う訳がない!」

とそんでもない暴言を吐いてしまったのだ。

皆さんは、今の会社の社長に向かって、
「頭悪すぎでしょ!」だなんて絶対に
言えないはず。

だが、虎川は会社でいう社長の座に
君臨するハーデス夏目に向かって、
何事もなかったかのように
淡々と暴言を吐いてしまったのだ。

これには、流石に夏目の周りにいた
上回生が全員ブチキレて、

「頭悪すぎるって、死にてえのか!
 この御方を誰だと思ってるんだ!
 夏目さんに喧嘩売るってどういう
 神経してんじゃボケがああああ!
 ボコボコにするぞ!コラあああ!」

と虎川に向かって、怒号の嵐だ。
そして、上回生の一人が虎川の胸ぐらを掴み
拳を握りしめて、目で殺すかのように、

「虎川よ!口止めされてるんだろ!」

と言った。
絶体絶命の虎川!
果たして、どうなってしまうのか?

寮長はハーデス!
この大学寮は間違いなくカオスだ!
しかし、この寮はハーデス夏目だけではない。
虎川を殴ろうとしている男もハーデス夏目に
決して負けず劣らずのどんでもない男だ!

その男については、次回の物語で話していく。

~第2話完~

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

~追伸~
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