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自分の日常=他人の非日常

私は自分のことを「めちゃくちゃつまらない人間」だと思っている。
出来るだけ波風のないように、日々に刺激はいらないから何事もなく(特段嬉しいことも特段悲しいこともなく)、感情の起伏を作らずに日々をやり過ごしていく。それが私の人生の第一目標であったりする。

誰かに好かれることも嫌われることもなく、そこにただいるだけの存在としてありたい。いてもいなくてもいい。壁になりたい。それが理想値である。
こんなマインドで生きているから自分の意見を通すことが今までほとんどなかった。誰かとどこかに行こうとか何食べようかという場面になったとき、自分の意見を通した結果、その相手が「楽しくなかったな」とか「美味しくなかったな」とか思ったらどうしよう、申し訳なさすぎる、と思ってしまって、自分の意見はあっても言わないで相手に合わせてしまっていた。

そんな風に生きてきたので「自分って本当につまらない人間だ」「休みの日はほとんど家にいるし、趣味は読書とライブくらいしかないし」「私の話なんて誰も興味ないだろう」と思って生きてきた。

でも、どうやらそうではないらしい、というのをここ数年で気付かされた。
去年の1月くらいに知り合った人と何度かサシ飲みをしたときに「紫桃ちゃんは話したら面白いんだからもっと自分のこと話せばいいのに」と言われて衝撃を受けた。
かなち界隈で遊んだときも「楽しかった」と言われることがあって、それも私にとっては衝撃だった。
最近高円寺で知り合った飲み友達からは「出てくる言葉が意外で面白い」と言われて、それもまた衝撃だった。

「あなたって面白い」「あなたといると楽しい」とほとんど言われて来なかった人生だったから、「私の話なんて興味ないだろうに無理やり話を聞いてもらって申し訳ない」「私と話していてこの人は楽しいのだろうか」とめちゃくちゃ心配しながら人と会話していた人生だったし、今もそれは変わってない。
多分そもそも、某アーティスト界隈の友達と出会うまで、私の周りにいた人たちの自己主張が激しくて(家族含む)、自分の意見がなくても周りに合わせればなんとかなってしまっていたし、それが楽だったからそうしていたんだと思う。自分の発言で波立つなら自分の意見を殺して相手に合わせて波立たないことを、どうしても選んでしまう。それは今も変わらなかったりする。

ここ数年で「話の内容にパンチがありすぎる」と言われたのは、
「殺し屋に憧れて射撃部に入った人なんて初めて会った」
「自転車乗れないのに一輪車は乗れる人なんて初めて会った」
「ラーメン食べると吐く人なんて初めて会った」
「戦闘態勢とか戦闘力って言葉を日常でつかう人なんて初めて会った」
「卒論論文カニバリズムって何事?」などなど。

え、みんな殺し屋に憧れたら射撃部入って殺す力を身につけたくならないの?!嫌な奴いたら想像の中で撃ち殺せる力を身につけたくならないの?!
「はい、いま撃ちました。お前死にました」って心の中で殺したくならないの?!(強火すぎ)
酒飲んでテンション上げてコミュ力を上げてからBARとかクラブ(←この前人生初のクラブに行きました)に乗り込むことを「戦闘力上げる」「戦闘態勢整える」って言わないの?!

根底がオタクなので出てくる言葉はオタクすぎるし、憧れたらその力(射殺)を身につけたくなるし、その世界に近づきたいと思って射撃部に入ったりする。(最近は、吹き矢とスポーツウィップ(競技鞭)をやってみたいな〜と思って教室を調べたりしている)

自転車は、3つ上の兄が自転車に乗る練習をしなかったので兄がやらないなら私も練習しなくていいや〜ってサボった結果、未だに兄妹揃って自転車に乗れないし、中学のときは水泳のあとに髪を乾かせないのが耐えられなくて水泳の授業を全部ズル休みして成績に「1」がついたりした。成績に「1」って本当につくんですね。びっくりした。今でもその成績表は記念に保管してある。
ラーメンを食べると吐くのは多分、「ラーメン」の選択肢の隣にいつも「うどん」か「チャーハン」があって、ずっとそちらを選択してきたからラーメンへの耐性がゼロなんだと思う。「ラーメン食べれるけど食べ終わったあと何故か吐くから食後に吐く時間10分もらえればいいよ」と言って人をドン引きさせたりしたこともしばしば。
最近はラーメン以外にも玉子と生クリームを食べると吐く&お腹を壊すようになってしまった。油分への耐性がどんどん落ちている。オムライスも生クリームも大好きなのに食べれなくなって辛すぎる。
ラーメンは麺がダメだけどスープなら飲めるので、誰かが食べてるラーメンのスープをもらってスープ欲を凌いでいる。なんてひもじい奴だ。
凪のラーメンのスープをもらって「これが某アーティストが好きなラーメンのスープ…」となったりしたこともある。その節は誠にありがとうございました。
でも、とんこつラーメンのスープが一番好き。いや塩ラーメンのスープも好きだな。
いつかラーメン屋行って「とんこつラーメン、麺抜きで!!」と注文してみたい。普通に店主に張り倒されそうだけど。

ありふれた人生でつまらない人間だと思っていたけど、実はそんなことはないらしい、というのをここ2〜3年で知った。この数年で知り合った人の方が中高から知っているリア友よりも深い話をしている気がする。確実に。

自分の人生ってありふれたもので私の話って本当に全然面白くないし、私の話は誰も興味ないだろうし無理やり話聞いてもらってごめん、と思っていたけど、なんだかどうやらそんなこともないらしい。
自分のことを面白くて楽しい人間だとは全く、到底思えないけれど、「自分の話を聞いてくれる人がいて、さらにそれを楽しいと思ってくれる人も中にはいるんだな」と思えるようにはなってきている。

そんな事があって最近はちょっとずつ、自分の意見を言ってもいいのかもしれない、と思えるようになってきた。ちょっとずつ「あれやりたい」「これやりたい」「飲み行きたい」とか言えるようになってきた。自分の意見を言ってもいいんだ、と思える友達(ちょくちょく遊んでる界隈の友達たちや飲み友達)と会えたことが本当に大きい。

自分の日常は案外、他人の非日常かもしれない。
そんな話でした。おわり。