逃げ水
風がない晴れた暑い夏の日に
遠くのアスファルトで見えるあの幻は
まるであなたを見ているようで
名前も知らない街から越してきたあなたが
クラスの人気者になるのはそう遅くなかった
別に興味なんかなかったし、僕(私)はお世辞にも仲良くなれそうになかった
でもある日、いつも通りに1人で門を出ると
後ろから「一緒に帰ろ」って…
それからというもの、あなたのことを好きになるのもそう遅くなかった
きっとあなも僕(私)のことを……違う?
こんなに好きになったのはきっとあなたが初めてだよ
でも、あなたがいなくなるのもそう遅くなかった
わずか1ヶ月の幸せだった
初めて心を許せたあなたは、まるで逃げ水のようで、2年経った今でも、毎年この時期になると思い出す
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