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街のけぶり

なんばの商店街のうどんやで梅わかめうどんを食べていると店内を小さなハエが飛んでいた。 別にわたしはごきぶり未満の虫なら気にしないので平気でうどんを食べていたのだけど、 ふと、こう暑いとこのハエも水分補給をするはずで、そうなるとうどんのだしを飲んでいるのではないかと思った。 そして、体内の多くをうどんだしが占めているこのハエを油でからっと揚げて天かすのように食べたら、かりっと噛んだときにいい香りのだしの味がするのではないかしらと思った。 梅わかめうどん、300円台だったと思

    • 客電消してよ委員会

      「観客として演劇を見に行くのが苦手だ。自分が大声を出してぶちこわしにしてしまわないか心配だからである」というような事を言っていたのは中原昌也さんだっただろうか? “中原昌也 演劇”でサーチしたけどヒットしなかったから、もしかしたら別のひとかもしれない。 先日はじめてよしもと漫才劇場に行って、この言葉を思い出すこととなった。 好きなコンビの主催ライブを見に、初めてよしもと漫才劇場に行った。 そのライブは21時からの公演で、21時公演あるあるで客の入りもわりと控えめであっ

      • NGKで会った人だろ

        久しぶりに行ったなんばグランド花月は様変わりしていた。 大学生のとき女学院の先輩が『こちらかきくけ公園前』の観覧に誘ってくれたのに行って以来だ。 巻き髪率90%越えの女学院生の中で、その先輩はさらさらの髪をポニーテールでひとまとめにしていた。 いつもジャケットにジーンズみたいなこざっぱりした服装で、そのうえ化粧も薄いのに垢抜けてしまってるのが本気のお嬢様という感じだった。 アイスクリーム屋さんでバイトしていた先輩。 『笑い飯・千鳥の舌舌舌舌』の観覧も誘ってくれた先輩。

        • あらかじめ約束されたお笑い周縁の女性たちへ

          プロミシング・ヤング・ウーマンという映画を観て、嗚咽するくらいに感動したその勢いでがたがたと震える指でこの文を打ち込んでいる。 私のことを知っている人も、覚えている人もほとんどいないと思うので自己紹介をさせていただくと、私は2018年頃から2年ほど東京の地下ライブシーンでお笑い芸人をしていた女である。 今日は、あるライブである芸人Aに名指しで舞台上で言われた「自分が過去にセックスした女が芸人になっていた。」という発言の前後にあったことや、その発言がわたしの芸人活動に与えた

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