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コロナウイルス感染拡大危機における中国の公教育におけるオンライン授業


2020年3月2日より中国全土で公教育におけるオンライン授業が始まりました。2月の段階で中国全土でオンライン授業が行われているとの報道もありましたが、実際は市町村によって対応が全く異なっていました。

1月24日から30日までが国の定める春節(旧正月)の連休だったのが、2月9日まで延長され、一般企業が再開可能となったら2月10日からすぐにオンライン授業を全面的にスタートさせたのは上海の隣の江蘇省蘇州市です。真っ先に動きそうで動かなかったのは上海で地方都市同様3月2日のスタートとなりました。

中国の教育は地方政府がそれぞれ一定の権限を持っています。多くの日本人は中国は国の通達に全国の行政機関、教育機関が前習えで従うと思っているかもしれませんが、国の指示は大方針で、省が中方針、市が具体的な指示を出すというように、行政区域をせばめながらその地域に合った方針を地域ごとに決定していく合理的で機動的なシステムを持っています。

日本に置き換えるなら、日本国政府が大枠を発表したとすると、私の出身地である山形市の場合、東北地方(地方政府がありませんが中国で言うなら省政府)が通知を出し、それを受け山形県の通知を出し、さらに山形市の通知を出す。その流れを市民も理解しています。県の通知なしに市は動きませんし、上の行政機関の通知に違反しない限りはその中で各市がどのような対応をしても良いので、良くも悪くも市町村によって差も出てきます。

その中で際立った動きがあったのが蘇州市です。蘇州市はコロナウイルスが広がり始めた1月半ばにはオンライン授業を始める準備を始めていたとも聞いています。蘇州市が準備したのは小学校6学年、中学3学年のオンライン授業プラットフォームです。


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蘇州市の中でも区ごとにカリキュラムが違うとのことで、各区のサイトにログインできるようになっています。オンライン授業を見るデバイスは、PC、スマホ、テレビ(デジタル放送が普及している)と用意周到です。

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これは小学校3年生のオンライン授業のトップページで、数学、国語、英語だけではなく、なんと美術、体育、音楽まで揃っています。
オンライン授業の形式はライブストリーミングで、数学、国語、英語の授業が午前中に実施されます。午前中は回線が混み合うためスムーズにライブ授業を見られないようですが、ライブ授業は録画されているため、別な時間に授業を見ることもできるとのことです。

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3月2日の3年生の時間割

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気になる(?)体育はダンスや健康維持のための体操、音楽は歌やリコーダーの指導、美術では版画作成などの動画が用意されていました。

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プラットフォームの機能はよくできていて、質問ができる掲示板的な機能や、学習者同士が繋がるコミュニティ機能、宿題の管理機能などもついています。

実際の運用はWechat(メッセージングアプリ)で行われているようで、宿題の指示、提出、管理はこのプラットフォームはこの短期間で実際の運用では活用されるには至っていない印象です。

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国語、数学、英語の授業はパワーポイントの資料があらかじめ配布され、それに沿った授業動画がライブ・録画配信されます。先生に顔が映し出されることがない形式で、パワーポイントの資料を使いながらと音声による解説をする授業です。



授業の中でわからなかったことに対する質問を受け付けることや、より発展期な内容などの学習ができるプラットフォームも別で設けられています。質問時間9時から21時までで、質問に対してすぐに回答してくれるとのことです。

オンライン授業に関するアンケート

この授業が始まって一週間程度のところで約20名程度の人にアンケートを取ってみました。小学生のお子さんがいる家庭が中心です。

Q1 コロナウイルスの休校前にオンライン授業(学校以外のサービスも含めて)を使ったことがありますか?
 ・毎週使っている 31.5%
 ・使ったことがない 36.8%
Q2 このオンライン授業についてお子様の様子はどうですか?
 ・普通 63.1%
 ・楽しんでいる31.5%
Q3 宿題の量はどうですか?
 ・以前と変わらない31.5%
 ・以前より少ない42.1%
Q4 学校のオンライン授業の他にオンラインサービスを使っていますか?
 ・学而思 42.1%
 ・新東方5.2% 

その他の都市の対応(2月中)

深圳市
・小学校
小学校1年生から3年生までは家庭学習用の課題を学校が指示。
オンライン授業は4年生以上。
管理は主にWechatやQQを使用。
・高校
 大手通信会社である中国移動のオンライン会議システム「雲視訊」を使った授業を実施。
・深圳大学 休校
香港
google Classroomで課題管理を実施したり、下記の教材会社のオンライン学習コンテンツを活用したりと、各学校で対応している。
現代教育資源庫
http://www.mers.hk/platform/pricomp2015/student/index.php
STEM教育プラットフォーム
https://newgs.ephhk.com/jsp/index.jsp


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「深セン」×「教育」で何ができるかを日々考えています。世界に類を見ない深センの成長速度、深センの成長を加速させるための深セン市政府の経済政策、教育政策、そこに暮らす若者たちのパワー。深セン市の存在そのものが私たち日本人にとって大きな教育リソースであると思います。