予想通り中国EVが爆売れし始めた…という話
１.最近の中国EVを巡る報道
そう、心ある人は警告をしていた、10年前に中国スマートフォンが日系メーカーを駆逐し世界でシェアを広めたことを、またこれと同じことが自動車産業でも起きかねないということを、心ある人は警告をしていた。
2021年の春ごろより、NIO、理想、Xpengなど中国の新興EVスタートアップ が深圳等都市部のショッピングモールで大々的に営業展開をしているのは1年前に申し上げた通り。
だが今までは日本にいる多くの人が、「されとてEVなんてまだ数%なんてでしょ」、「どうせまだまだ市場に浸透するのは時期早々」と思っていたかもしれないが、ついに現実的な数字として、また目に見える変化として中国のEVが台頭を始めてきた。そんなわけかここ数日身についた記事でも、
同記事には、外資にとっては辛辣なこれからEVの購入が期待される若者層からこんな声が、
北京の会社員ティアンナ・チェンさん（２９）が１８万元（２万７０００ドル）で小鵬汽車（シャオペン）のクロスオーバー車を買った際に一番悩んだのは、ＢＹＤ（比亜迪）もしくは上海蔚来汽車（ＮＩＯ）のＥＶにすべきかどうか、という点だった。高級な外車ブランドはほとんど検討しなかった。
「もしもガソリン車を買うのであれば、外車を考えたかもしれない。でも私がほしかったのはＥＶで、テスラを除くと最新のスマートテクノロジーをきちんと装備している外車ブランドはほとんど見当たらなかった」とチェンさんは言う。
また、中国EVの新興国ASEAN市場進出という意味では、こんな記事が、
同記事には、日系メーカーの牙城ASEAN市場への中国の殴り込みにこう警戒を寄せている。
これまでASEANといえば、日系メーカーの牙城である。例えば、タイの2021年における自動車販売台数は約76万台、対前年比-4.2%であるが、日系メーカーのシェアは約87%に達している。
しかし、ここ1～2年、中国系EVメーカーがタイとインドネシアにて攻勢を強めている。その代表例が長城汽車のEV「欧拉（ORA）」やMGの「ZS EV」などであろう。さらに、2022年4月、タイ国営のタイ石油公社(PTT)は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と合弁で、中国系EVメーカーの受託生産に乗り出すと公表した。タイ国内でEV工場を建設し、2024年には生産稼働するとしている。
さらには、ここには掲載しないが、中国EVが欧州生産欧州輸出なんていう話もちらほら聞こえ始めている。
2.直近の販売実績（2022年3月）
まず、中国の自動車工業協会によると、2022年3月単月での中国での生産台数は、224.1万台、販売台数は、223.4万台、そのうち、EV車に限ると、生産台数は、37.6万台、販売台数は、39.6万台、と既にEV車の占める割合は生産、販売各々、16%、17%となっている。参考までに21年3月のEV車の生産台数は、18.2万台、販売台数は、19.0万台なので前年から２倍近く伸びていることになる。なお、日本の22年3月のEV販売台数は、4219台である。。。
2017年以降の中国市場の総販売台数及びEV販売台数
（2021年の伸びが突出していることが分かる）
ちなみに、今から3年以上前にこんな記事『中国最新自動車事情～NEV（新エネルギー車）に注目～』も書いていた。2018年上半期のNEV車（NEV車という概念は、EVに燃料自動車（FCV）やプラグインハイブリッド車（PHV）を併せた概念）の販売台数が、41.2万台なので、当時の半年分を1ヶ月の販売量で匹敵するくらいに成長をしているのである。
そして、中国で22年3月に売れた39.6万台は、どこの国、どこのメーカーの生産が多いのかということを探すと、見つけた。
引用：https://www.icauto.com.cn/vvauto/73/732639.html
外資は、Teslaのみで、後は中国国産、ざっくり言うと１位は深圳のEVメーカーとしては老舗になりつつある王传福率いるBYD。テスラの次の３位は、50万円で買えるミニEVとして日本でも話題になった「五菱」。3月で月刊2万台を超えるにいたった広気自動車のEVブランド「AION（埃安）」も乗りやすくコスパが高く注目が高い。一気に台頭をしてきた様子だ。本校冒頭でも紹介した新興スタートアップ３社（Xpeng・NIO・理想）の中では、Xpengが抜き出しているし、確かにXpengは多く見かける。
というわけでここには外資はTeslaを除いてドイツも日本も全く存在感がないのである。。。これはやばいなぁと危機感を持ってしまったので、次回以降さらに本テーマを深掘りしていきたい。
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