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駐在先で産むか里帰り出産するか。里帰りのメリデメ10選

夫の赴任先の海外で産むか、日本に帰って産むか。
私自身だいぶ悩みましたが、振り返ってみると「里帰りして良かった!」と思うことが多かったので、今日はそのことについて書いてみたいと思います。



里帰りのメリット

①経済的負担の軽減

まずこれは、赴任先の国の医療水準や、所属している企業の福利厚生にもよるので、全ての人に当てはまる内容とは言えないことをご承知おき頂きたい。

色々な方と話した個人的な肌感覚でしかないが、駐在先での妊婦健診、出産費用、産後の新生児の検診・ワクチンなど、日本国内でカバーされる部分は網羅してくれる職場も多かれ少なかれあるのではと思う。

しかし私たちの場合、総合的にみて、海外で出産した場合の方が自己負担部分が大きいというのは割とはっきりしている点だった。例えば日本の産院と同じ検査項目であっても、海外だと「これだけのサービスにこんなにかかるの?」「日本の方がコストパフォーマンス良いよね。」と感じる機会が圧倒的に多かった。妊娠の経過が良かったこと、第一子なので一人で身動き取りやすかったという点もあるが、ここは一番大きいと感じたメリットになる。

日本国内でも100%費用が負担されるものではないが、それでも大部分はカバーしてもらえると思うとそれだけで気持ちもラクになった。


②祖母や母の妊娠・育児の記憶に触れる

里帰りすることをとても喜んでくれたのは、男親ももちろんそうなのだけど、やはり母たちだった。(日に日に大きくなる私のお腹を父が不思議そうに眺めている姿を見るのも、感慨深いものはあるが😂)

どこからともなく、母が妊娠当時の日記を持って来てくれて、当時の母とあまり変わらない心境を今の私が感じていることを面白く感じたり、祖母の育児日記まで出てきた時には驚愕したり。今まで見えていなかったファミリーヒストリーが見えてきたような気がして、なんだかとても感慨深い気持ちになった。

自分が乳幼児だったときの写真アルバムなども見返してみては、妊娠前に見たときとは感じるものが少し違うなとも実感。

「こんな子がお腹の中にいるのかな」
「新生児ってこんな小さくてふにゃふにゃなのか」

もちろんエコー検査で見えてはいるんだけれど、胎動を感じているだけでは、なんだかムニュムニュ動く生物がお腹の中にいるな、くらいの感覚で、ここにとっても小さい人間がいるだなんて、いまいち想像できず。

会陰切開どうだったとか、産後の痛み具合、母乳の出具合、そんなことを母に色々聞きまくったりもして。こんな会話、これまで一度もなかったので、想像以上に楽しい母娘時間だった。母と一緒に「たまごクラブ」で予習したりもして、一緒に学ぶ時間を持つこともできた。


③家族の手を借りやすい

英語が通じる都市であれば、親に海外に来て助けてもらえないか相談したかもしれない。

しかし、現在の在住国は中国。赴任当初は、スーパーで「袋入りますか?」と質問されただけでもパニクったことを思い出すと、一切言葉が話せない親がこちらに来ても、本領発揮出来ないだろうな…と思い、諦めた。

夫婦二人で平日はワンオペになるならば、ベビーシッターさんを雇うか、せめて家事だけでも手伝ってくれる方を探そうと考えていたが、親が「うちに帰って来てもOKだからね〜」と快く言ってくれたのでとても有り難かった。


④実家が綺麗になる

この点も、完全に各家庭によるだろうと前置きした上で。共働きで両親共に忙しく過ごしてきた我が家は、家をリフォームする時間などはなかなか取れず、傷んできても支障がないなら後回しであった。いや、正式には、母は綺麗にしたがっていたが、父は急かされることにストレスを感じており、なかなか家が綺麗にならないことが夫婦喧嘩のタネにもなっていた。

それが、今回里帰りの話が出た時に、父のやる気に火がついたらしい。ちょっと無理させたかな、という反省が無いわけでもないが、母は内心大喜び。実際に家に帰ってきたら、相当片付いていたのでびっくり!里帰りは親の協力あってのこと、と改めて実感すると共に、家が綺麗になって両親共にイキイキとしていたので、その姿にホッとした。まだ父的には片付けの途中らしく、頑張ってくれている父の姿を見てはなんだか有難いやら微笑ましい気持ちになった。


⑤親戚で集う時間を持てる

2021年から海外暮らしが続いている私。当時はコロナ禍でもあったので、簡単に帰国できるような状況にはなく、なかなか親族の集まりに顔を出すことは叶わなかった。弟の結婚式も泣く泣くオンライン参加したほど。

その為、今回の里帰り中に直接親戚に会って話が出来たことはとても良かった。なかでも、祖父母が想像以上に喜んでくれて、一緒に喜びを分かち合えて嬉しかった。


里帰りのデメリット

⑥里帰りが長期化しやすい

妊婦が医師の診断書なしにフライトに乗れる時期には制限があるし、産婦人科からも「34週までに一度診察を受けてください」などと言われるので、最短でも3ヶ月(産前2ヶ月、産後1ヶ月)は実家にいることになる。そのため、家族仲が良くないと、なかなかキツイだろうとは思う。仲良し親子でさえ、産後を実家で過ごすのが段々しんどくなると言う話もまあまあ耳にするので…。


⑦夫と離れ離れの期間が長期化しやすい

⑥に関連するが、夫がどれだけ休みを取れるかも懸念ポイント。出来れば出産に立ち会ってもらって産後は一緒に子育てして行きたいけど、たとえ計画分娩にしたとしても、最後まで何があるかわからないのがこの出産というイベントなのである🤦それに、職場あっての駐在員。家族のわがままで職場や当人を困らせてはいけない。私自身も駐在の経験があるからかもしれないが、そんな風に考えていた。

駐在員が育休を取るのはまだまだ至難の業である職場が多いのも事実。「夫の育休取得が全く見込めないから現地で出産する」という声も耳にしている。職場の都合で取れないケースもあれば、ただでさえ駐在員はシングルインカムの家庭が多いのに、育休を取ると給与が満額出なくなるので、取得するインセンティブが低いという面もあるかもしれない。(もっともこの点は職場の福利厚生による)


⑧子どものビザがスムーズに取れるか問題

この点は赴任国にも寄るのと、現地で出産しても苦労する点かも知れない。現地で出産した場合、ビザ取得がトントン進まないと、産後に一時帰国を考えている家族はなかなか計画を立てられなくなるし、日本で出産した場合は、駐在地に戻るまでのスケジュールに影響してくる。

出生届は生まれてから14日以内に提出との猶予があるが、その後の手続きに追われている家族は14日などと悠長なことは言ってられず、翌日には出すくらいの勢いでいるべき、らしい。

また一番難関らしいのが、ビザ用の写真撮影。新生児がカメラ目線で目を開けていてくれるか、真っ白い背景で影なく撮影できるか、これが結構難しいようだ。(ニューボーンフォトでは眠らせて撮影するし…。)我々はこれから準備するが、無事に撮れるのか、この上なく不安である(笑)


⑨日本の産院で逆カルチャーショック

なんやかんや中国の病院の検診に慣れていたため、日本の病院では正直驚かされることが多かった。

まず、現在でもコロナ感染対策が厳しく行われている(私の通院先の場合)。夫と一緒に初めて行った日、「お連れ様は院内には入れません」と言われて驚いた。中国では1人で通院している妊婦さんなどほぼ見たことがなかったが、日本の産婦人科では1人で来ている人しかいなかった。もちろん感染したらしたでそれは大変なことになってしまうが、まだまだ厳しい対策をとっているんだな、と思った。

今年の夏頃からは入院中の面会も可能になったとあり、やっとコロナ前に戻って来たのね〜と思っていたが。面会は「1日一人限定」「対象者は夫か両親のみ」とあり、悲しくなった。中国では、そのような制限はもう一切ないので。

実家周辺では割と有名な、決して小さくはない産院なのだが、患者数が多いゆえか予約して行ってもなかなか時間通りに診察してもらえなかったり、院内は撮影禁止でエコー検査の様子を写真やビデオに残すことは許されなかったりで、なんだか日本の病院(私の通院先)は厳しいなあ、というのが率直なところだった。もちろん、母親学級が充実していたり、入院中の哺乳瓶や搾乳機等は全て病院で借りられたりと、中国では望めなかったサポート体制がしっかりあって、良い面もたくさんあるのだけれど。


⑩国によって異なる新生児ワクチンスケジュール

デメリットというほどのことではないが、検討する手間はかかるかもしれない、ワクチンスケジュールの件。
日本と中国の場合はほぼ変わらないが、出生時にBCGを打つことや、4種混合ではなく5種混合である点などが日本とは異なる。

当初は、異なるメーカーのワクチンはなるべく混ぜない方がいいかな、と思ったりもして、一区切りつく生後4ヶ月以降に赴任地へ戻ろうかな、などと考えていたが。そうなると、夫婦別居時間も長くなってしまうんですよね。産後を実際に過ごしてみて、夫婦で長期間離れ離れすぎるのも弊害ありそうだという気持ちになってきたという、心情の変化があったのも大きい。今も多方面からアドバイスを頂きながら、調整中。


終わりに

結論、今のところは里帰りしてよかったな、という気持ちです。夫とは産前、離れ離れの時期もあったけど、毎日会話できていたのでその点で不満に思うことはなかったし、産後しばらくしたらまた日本にいる家族にはなかなか会えなくなると思うと、いま実家で一緒に過ごせている時間はとても貴重だなと思う。

夫も私の実家に居候している今の環境は快適で心底恵まれているなと感じており(両親と夫に感謝🥲)、赴任地に戻った後の生活が正直不安だけど、夫の仕事の都合もあるので、多少苦労があっても早めに戻って夫と一緒に育児したい、という気持ちも。

またしばらくしたら、その後の決断の行方なども振り返ってみようかなと思う。


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