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シャトルバスドライバーは本日も快走中です!!#20

7月21日(日)21:38 「なんだ?最近の若者は・・・めっちゃ、ええ子やん!!」

 私の住む「大阪」府内の小中高生は7月20日(土)から夏休みに入ったようである。

 夏休みに入ると「夜に出かけることが楽しい若者」が増えるのは、今も昔も変わらないと思っている。私も深夜のファミレスで、同級生と他愛もない話をしながら「夜更かし」をすることが楽しかった時代があった。

 しかし、その「夜更かしの定番であったファミレス」も、現在は昔ほど見かけなくなってきている。

 そんな中、23:00くらいまで煌々と明かりがともっている「ショッピングモール」が若者の集いの場の一つであったとしても不思議はないのだが、ショッピングモール内の飲食店街も例外なく「22:00には閉店」しており、「若者の夜更かしスポット」と、まではならないみたいだ。

 シャトルバスは21:30を過ぎると「ショッピングモール→ターミナル駅」のみの片道運行となっている。
 日曜日の今日。このバスの出発は「21:38発」だが、21:37を過ぎても、「乗客がゼロ」であった。日曜日の夜は「次の日に会社や学校がある」ことで、比較的ガラガラになりやすく、場合によっては「ゼロ」も当然にある。

バス内にあるデジタル時計が21:38に変わるころ、「いかにも、ヤンチャ感丸出し」の高校生くらいの「お兄ちゃん」が2人、ズカズカと乗り込んできた。

「ズカズカ」とは、バスに乗り込む時に車体が揺れるような感じだ。

 そして、香水なのか?制汗スプレーなのか?わからないのだが、匂いがプンプン漂ってくる。また、「韓流スターか!!」とツッコミたくなるような隆々とした肉体だ。

「このバス、ターミナル駅行きっすか?」

若者によくある「ギラギラ」した目つきだった。

「そうです。ターミナル駅行きです。」

私は淡々と答えた。乗客は「お兄ちゃん」たちだけであったのだが、出発時間が過ぎていたため、バスを出発させる必要があった。
 ただ、「乗り慣れてなさそうなお客様」であれば、おせっかいであっても、私は案内していることがある。当然、乗客が「ヤンチャなお兄ちゃん」であっても同じだ。

「お兄さん!!この時間、『ターミナル駅からショッピングモール』の便はないから、コレ乗ってもうたらコッチ(ショッピングモール)には戻ってこられへんで」

「大丈夫です。自分ら、帰るだけなんで」

すでに、出発時間を約2分過ぎていた。

「このバス、無料で乗って、いいんすよね?」

さっきまでの「ヤンチャ感は何処にいった?」と感じるくらい、丁寧に聞いてくる。

「大丈夫、大丈夫!無料で乗れるよ。ただ、お兄さん!出発時間過ぎてるから、バス発車させたいんやけど、ええかな〜?」

 2人のお兄ちゃんは、さっきの「ズカズカ」とは明らかに違う「静かな移動」でバスの中程にスッと座った。
 その時であった。

「すいません、よろしくお願いします!!」

(スイマセン、ヨロシクオネガイシマス?めっちゃ、ええ子やん!!)

 約7分後、シャトルバスがターミナル駅に到着すると、その「お兄ちゃん」たちは「ありがとうございました」と言って降りていった。

(結局、「めっちゃ、ええ子やん!!」)

ヤッパり、人は「見た目だけ」で判断してはいけない。老若男女かかわらず、「話をして見れば、印象がガラリと変わる」なんてことは普通にある。ヤンチャ感は丸出しであったが、礼儀正しかった「その、お兄ちゃん」たちが、正に「それ」であった。

 それにしても、車を運転できない中高生に便利と思える無料シャトルバス。夏休みも始まり「まだ21:00台」と思える時間であっても、乗客は「たったの2人」しかいない。
 もちろん、「中高生の夜遊び」を推奨するわけではないのだが、夜のシャトルバスからも確実に「若者の姿」が消えているように感じる。

SNSで繋がる時代に「仲間でツルんで語り合う」はダサいのであろうか?

それこそ、理由が「単純に分母の問題」であるなら、「少子化ニッポン」は深刻だ。

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