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突然「通関士でなくなる」日。通関士となってから、「あなた」が考えるべきこと(前編)

突然の辞令により、一瞬で吹き飛ぶ「受験の苦労」と「今までの実務経験」


noteの読者の皆様は疑問に感じたことはございませんでしょうか?

 なんか、通関士について記事を書いている人、やたらと「元」通関士の人多くない?

この疑問を、私なりにシンプルに答えるならば

「結果的に、通関士の皆さんは通関士でなくなってしまった」

ということが、最も正解に近いのではないでしょうか。

「通関士試験合格者」の方は皆、合格率10%台の合格チケットを捨ててしまったということなの?

今回のテーマは

「突然、通関士でなくなる日」

です。

 もちろん「これから通関士を目指したい方」にも、ぜひ参考にしていただきたく思います。
 ただ、今回の内容は「核心に迫りすぎる」部分もあります。心して読み進めていただく必要がありますので、ご注意ください。

 私は「通関士」を語るにあたり、良くも悪くも「この一言」で完結すると考えております。

「通関士」は「会社員」である。

 私は過去の記事の中でも「この重要な事実」を、何度も書いているのですが、その記事内での扱いは実に「さらり」とした内容に留めてきました。

 そして、これは「最大のメリット」であると同時に「もっとも危険なデメリット」でもあります。

 私が受験した約20年前は「通関士」が「会社に雇われることで活かせる資格」であることに「十分すぎるメリット」がありました。
 会社員であることで「安定した収入」が約束されることは、「会社に雇われることすら叶わなかった、就職氷河期世代の負け組」の私には、まさに「神」資格でした。転職に成功し、その後20年も「会社員として人並みの生活」ができたのは「通関士資格」があってこそだといえるでしょう。

 ただ、同時に「会社員として」数多くの転勤や異動を受け入れていくことになります。

「通関業務を行う者として、税関への届出を行った者」が「通関士」であり、社内において、営業や総務、海外駐在等への異動となった場合は「通関士」でなくなってしまいます。

 「会社に残る」という選択。つまり、社内での「給料アップや昇進」、その先にある「退職金」を希望して行く中で、異動を受け入れることとなり、「通関士として生きていく選択」を捨てざるを得ない状況となってしまうのです。

 ところが、令和である現在、会社が「あなた」の人生の面倒を見てくれない時代となりました。
 同時に「あなた」自身も「会社依存人生」のメリットが薄くなってきていることを、感じているのではないでしょうか?

昇給してますか?
退職金もらえそうですか?
50代を迎える頃にはリストラ対象になっていませんか?
会社が合併でなくなることはありませんか?

そして、このような時代背景の中で、

「あなたが、通関士の資格やキャリアを捨ててまで、会社都合による転勤や異動をするメリットが、あなたの中に本当にあるのですか?」

 現在「通関士」の方は、この問題と真剣に向き合う必要があると思っています。

「いやいや、私は通関士として、この会社に雇われたのだから、一生、この会社で通関士をやっていけるはずだ」

「会社も通関士試験が難しいことは把握しているはずだから、特別な扱いをしてくれるはずだ」

それ、本当ですか?

あなたは会社の中で、それほど「特別な存在」になってますか?

一度、冷静になって考えてみて下さい。
 そして、この現実を自身で「正確に把握」しておかなければ、あなたは将来「キャリア迷子」になってしまう可能性があります。

そして、転職が難しくなる「40代を迎えた頃」に問題が深刻になります。

私の考える「最悪の結末」は、

 リストラ対象となってしまった「通関士試験合格者」である、通関士実務経験の乏しい40代過ぎの会社員

となってしまうことだと考えます。

この時には「通関士試験合格」は「履歴書に書くだけのお飾り資格」となっており、あなたの転職に有利になることは、ほぼ、ありません。

「通関士になれたから、とりあえず安心」

この考えを捨てましょう。
そして「今から、準備をしておきましょう」

今回、私が読者の皆様にお伝えしたいことは、このことなのです。

後編に続く


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