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withコロナ時代を生き抜く3つの処方箋【3】正直になる(後編)

未知の時代を生きるための3つのポイント、今回はラストその③〈正直になる〉の後編です。


“他人軸”で生きることの何が問題か
自分に正直な“自分軸さん”の対極に位置するのが、他人に価値判断をゆだねる“他人軸さん”です。他人軸さんは、外部ソースの価値観と受け売りの情報を、マイオリジナルであると錯覚しています。
何も変えない、自分で決めない。極めて省エネなライフスタイルです。

控えめでおとなしい人のイメージですが、実は押しが強くて地声が大きいタイプもけっこう多いので注意が必要です。声デカ系他人軸さんは、自分の好み(=世間軸の価値観)を凄まじい圧でかぶせてきて、秒で全会一致の承認を取りつけてしまいます。これはこれで、一種の才能ではありますが。
そして何より変化を嫌うので、自分軸さんが「パティシエの修業でパリに行くの」なんて言おうもんなら、跳び蹴りで妨害してきます。

同調圧力が異常に強い日本では、周りに合わせる傾向が育ちやすく、長いものに巻かれるやり方は古来スタンダードな生存戦略の一つなので、一概に良し悪しで論じるべきでないことは承知しています。
が、騙されやすく御しやすい点に無自覚な他人軸さんは、声デカ系他人軸さんにたやすく同調し、時として誤った方向に誘導されたり、デマや詐欺に巻き込まれたりと、実に危なっかしいんですねこれが。
どちらにせよ、あらゆる行動が“不安&恐怖”に根ざしている他人軸さんは、非常時や変化への耐性が極めて脆弱であるのは確かです。


自分軸系改革派vs.他人軸系保守派でガチバトル?
これまで頼ってきた秩序が次々と機能不全に陥る中で、そのような現実を受け入れて新たに舵を切り直すか、あえてそこを直視せず他人軸に安住するか、どちらも自由に選べる状況に私たちはいます。自分軸と他人軸、どちらが豊かな人生を創っていけるのかなど、現時点では誰にも分かりません。

そうは言っても、あなたが自分軸さんだと仮定して、他人軸さんのふるまいに違和感を覚えることが増えたら、袂を分かつ時が来たということ。新しい扉の向こうに進みたい自分軸さんと、何も変えたくない他人軸さんとの衝突はもはや避けられないフェーズですが、遠慮や情けは無用です。これもお互いのために必要なプロセスだと腹をくくりましょう。

“withコロナ時代の二極化”があるのだとすれば、改革派である自分軸さんと、保守派の他人軸さんが反目し合うのではなく、「別々の電車に乗って、それぞれ異なる方角に進むこと」という表現が、最も平和的な帰結かも知れません。
しかし一方で、賢明な人々が文字通り“生き残る”ための新たな手段を急ピッチで模索し始めているのも事実です。そのように差し迫ったこの時局をどう捉えるか、その判断は誰であれ慎重に下すべきではないでしょうか。


風に乗って、軽やかに
どんな事態にもすぐに動けるよう身軽になる、不確かな情報に動じない理性とバランス感覚を磨く、そして自分軸を基準に人生の基盤を再構築する。
今、無力感にとらわれそうになっても、人間には苦難のつど学び、工夫し、対処する知恵が備わっています。というか、大仰に悲観したり落胆しているヒマなど、たぶん無いような気がします。

試練との共存を意味する“withコロナ”は、硬直しきった社会に不意打ちをくらわす、無慈悲な荒療治の時間かも知れません。
しかし、一人ひとりが身軽に賢く、自分軸で生きるスタンスで行動したら、その先の景色は確実にと言っていいくらい、大きく変わっているでしょう。
「あの時代に居合わせたこと自体が、ある意味で奇跡だった」と後々語り合えるような未来を創ることも、そう不可能ではない。
私自身は、そんな心境で今という時間を過ごしています。
(了)

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