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娘に贈る回顧録 23/7300 不登校のあいだ②

『朝起こされるのが嫌だった』
「朝怒るのが嫌だった」

『学校って言われるのが嫌だった』
「学校に行かせなきゃって思うのが嫌だった」

『朝ごはん食べたくなかった』
「せめてスープだけでも飲んでほしかった」

『部屋から出たくなかった』
「青白い顔を見るのが辛かった」

『先生からの電話が鳴るのが怖かった』
「欠席連絡をするのが悔しかった」

『お母さんがリビングにいると安心した』
「どうやって部屋から出そうか考えていた」

『ひとりの時間を静かに過ごしたかった』
「何とか話をしたいと思っていた」

『身体がきつい、気持ちがきつい』
「痩せていく、笑わない」

『隠れていたかった』
「一緒にいたかった」

『怒られてばっかり』
「イライラをぶつけていた」

『どうして私はダメなんだろう』
「なぜ、ダメなんだろう」

『学校に行かなきゃ』
「学校に行かせなきゃ」

『お母さんが心配してる』
「不安をもて余してる」

『どうしよう』
「どうなるのだろう」

『もう、ダメだ』
「きっと、この子はダメだ」

『逃げ出したい』
「終わりにしたい」

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結局、小学校は100日も行かなかった。

先生との面談
相談員との面談
校長との面談

家庭訪問
ノートのやり取り
放課後登校

心理カウンセラーのアドバイス

何もかも面倒くさい

ふたりでいなくなれば
終わりに出来る

※※※※※※※※※※※※※※※※※
5年の春
終わりにしようと思った

『こんな毎日。もう、疲れたよ。ごめんね』
涙が溢れて言葉にならない
『なぜ?どうしたら良かったの?』

「わからない、わからない、わからない」
か細い声で繰り返す

「でも行けないんじゃない!」
「行かないの!」

あぁ、そうなのか
自分の意志で行かないことを選んだのか

はじめて気持ちを言ってくれた

大丈夫だ
この子は大丈夫だ
不思議とそう思えた

小さい身体で、心でちゃんと生きてる

大丈夫、
大丈夫、
大丈夫。

空気が身体に入っていく。
呼吸すら忘れていた。

おまじない。
深呼吸。