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1/1_執筆制限時間10分小説_【396 杉藤 俊雄(すぎとう としお)は××したい】続く

 人間は自分の正義を確信すると、いつでもどこでも天使に化けることができるんだ。僕が幼児の時の母も天使だったのだろうし、熊谷をいじめた奴らも天使、中学の教室で野球部に絡まれてきた時も、クラスメイト達は顔のない天使になった。今回は五代くんだ。

 誰でも天使になれるのなら、僕も天使になれる。僕も腰に垂れさがっている肉の紐を手繰って、自身の正義の名のもとに相手を支配することができるのだろう。

 杉藤家の異能によって、匂いによって相手の心が読める力。記憶を読める能力は、僕が相手の気持ちを知りたい、仲良くなりたいからこそ繋がりたいと願っていたから能力が発露したのだと考える。

 僕はずっと、この能力を当たり前のように使っていた。なにも考えないで、その能力の高さに疑問を感じることなく、葉山に異能の考察を預ける形で、自身で深堀することなんてしなかった。

 僕はもっと自分を知り、自分の能力を具体的な目的をもって行使するべきだ。

投稿時間:9分45秒

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