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12/18_執筆制限時間10分小説_【376 杉藤 俊雄(すぎとう としお)は××したい】続く

 園生くんといるのがしんどい、イヤダ。だけど、そんな言葉を僕の口からいうわけにはいかない。

 180cmの高い背が、目で見るよりも縦に伸びるように大きく見える。まるで夕暮れ時の影みたいな存在。園生 緑の存在は、次第に不穏さを増して僕の進路に黒々とした影を落としている。

 日本人とフィリピン人のいいとこどりの顔立ち――潤んだ黒目がちで繊細さを感じさせるオリエンタルな造作とか、黒い髪に少し癖がつきはじめたところとか、葉山を連想させる言葉遣い(自分の正当性を疑わない部分とか特に)。夏のせいで、日焼けした肌がよく似合っているのが、なんだか悔しい。生まれとか、自分じゃどうこうできないもん。

「……あの。園生さん、聞きたいことがあるんですが」

 控えめに、物部くんが手を上げる。園生くんはびっくりした顔をして、物部くんに言った。

「君がなにかに、疑問を生じるほどの思考があるなんて思わなかったよ」

 かなり失礼なことを言っているが、物部くんは気にしない風に言葉をつづけた。

「実際、動物をバイクで轢いたら、どうすればいいんですか?」

投稿時間:9分53秒

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