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釜山のスパルタなお姉さんの話

2018年の12月、気温は-13℃。私はソウル中心部の弘大にある学校を目指し、歯をガチガチいわせながら、通学していました。

こんにちは、ささきです。

もう数年前の話になりますが、韓国で1ヶ月の短期留学をしたことがあります。4ヶ月の転職休暇中のことで、韓国語はほとんど話せない状態で出発しました。

滞在日数が長い場合は寄宿舎やワンルームを借りることが一般的ですが、私はあるゲストハウスへの滞在を決めました。そこで出会った人たちとの思い出が、今の私の考え方につながり、また私がゲストハウス好きになる原体験となりました。

滞在したゲストハウス

今回は、6日間ルームメイトとして過ごした、釜山のお姉さんとの出会いについて書いていきます。

釜山のお姉さんとの出会い

韓国生活3日目の夕方。学校で学んだ内容を頭で繰り返しつつ、ゲストハウスへ戻りました。

部屋のドアを開けると、向かいの2段ベッドの下に、見覚えのない女性の姿がありました。ショートカットの、クールそうな雰囲気の人です。

イヤホンで音楽を聴きながら寝転んでいましたが、びっくりしたのか、目がばっちり合ったのを覚えています。

今日来た人なんだろうなと思いつつ、簡単に挨拶をすると、向こうから韓国語で話しかけてくれました。

嬉しいながらも、その時点で話せる韓国語といったら挨拶、単語、そしていただきます、ぐらいだったので、内心はどきまぎしていました。

でも、話したい!と思った私は辿々しい英語で、「まだ韓国語がわかりません。でも英語もうまく話せないんです」と正直に伝えました。

女性は会話を止めることなく、簡単な英語と、スマホで翻訳した日本語を見せながら話しを続けてくれます。

お互い試行錯誤して会話するうちに、その人は釜山から5泊6日でソウルに来た、韓国人のお姉さんだとわかりました。

ちなみに、彼女が学生時代アメリカに留学していた時、日本人の子と仲良しだったそうで、それもあり気にかけてくれたようでした。嬉しかったです。

「韓国語教えてあげる!」

話の流れで、韓国語の勉強のために来たことを伝えたところ、お姉さんは「それじゃ韓国語教えてあげるよ!」と笑顔で返してくれ、その日から30分程度、発音の練習に付き合ってくれました。

まさか違う、こうだよ、違う違う!もう一回言ってみて!と、結構なスパルタ指導を受けることになるとは思っていませんでした……が!たった数日のことながら、あの時間のおかげで韓国語の発音が身についたと感じています。

毎回ドキドキしながら発音していたのですが、できたときはしっかり褒めてくれたので、モチベーションはぐんぐん上がっていきました。

最初は英語とちょっとの日本語、翻訳機を使っていたのですが、段々と学校で習った単語や文法を使って会話ができるようになり、少しずつ成長を感じていました。

顔を合わせれば「今日はどうだった?」と話しかけてくれるお姉さんのおかげで、家に帰ってからも韓国語を使う機会があり、何より誰かが気にかけてくれてるという安心感がありました。

さよならの朝

楽しい時間はすぐに過ぎてしまい、お姉さんとお別れの日が来てしまいました。
朝からどんよりとした気分で、私も出かける準備をしていたのですが、「出かける方向が同じなら、途中まで一緒に行こう」と誘ってもらい、二人で地下鉄に乗りました。

本当に楽しかったです、釜山でも元気に過ごしてくださいね、と書いた手紙を渡し、お別れの言葉を伝えました。

私が席を立つ直前に「元気でね。寒いからあげる」と、使っていたカイロをくれたお姉さんのさりげない優しさにやられる私。たくさん手を振り、さよならをしました。

この時感じた気持ちを後で思い出せるようにと、降りたホームで写真を撮りました。ただのホッカイロですが、私にとって思い出深い一枚です。

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人との出会いを大切にしたい

ゲストハウス生活の最初にこのお姉さんと出会ったおかげで、その後のゲストハウス生活は、思っていた数倍楽しいものになりました。
多分、この経験を境に「ルームメイトになった子に自分から話かけよう」「出会いを大切にしたい」と、積極的な気持ちになったからじゃないかと思っています。

今でも発音を褒めてもらえることがあると、釜山のお姉さんの顔が浮かびます。

ここ最近は韓国語の勉強をおろそかにしていたので、お姉さんに怒られながら頑張っていたときのことを思い出しながら、また頑張りたいと思います。

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