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自分だけの、美しく戻らない、ソレ。

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詩であり、エッセイです。
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記事一覧

作詩 〈ねえ〉

あなたはいま どうしているの 私は 慣れてきて わかってきて あなたが遠いことは 変わらないの あなたは変わった 変わったよね あなたの 変わったところと 変わらないところを 感じられないのは けっこう くるしくて できることが 少なくて どうして と 何度も なんども ねえ 桜は咲いてるの あなたに似合うと知ってる 今日は あなただけを 考える時間があって 私は ちいさくて 綺麗じゃなくて あなたは いつだって綺麗なんだって 気づいたよ だからさ きれい

作詩 〈お守り〉

音楽と 映画と 写真と 自分が居れば 私の世界は満たされる 信じることを変えないこと ここに居るしるし 生きていること 弱くて甘えて頼って 繰り返し 孤独する いずれ失うもの いつか手に入れるもの 欲にまみれる 若さも 無責任も 飛び越えて 老いていく 大人に近づく 泣く泣く 無くなる あの曲はお守り 兄にもらった紫色も 大会の前にくれた可愛らしい子達も あの人との写真も 両親がくれるバースデーカードも お守り 私も悪いものから 遠ざけてくれるもの 私に幸せ

作詩 〈青い〉

映画を観た、 高校生の話。 どうしてもあのひとを想った、 想いながら観た あのひとが観たら、 どんな表情をするのだろう その横顔を見てみたいと考えながら、 高校生活を想像した 取り戻せない時間を知った、 それは皆に平等に、 確かに生きて居たこと その人が信じ、 ありたい姿がほんとうで どこまでもめんどうくさいもの 同時に、 まぶしくはかなく青いもの、 誰もが通ること 青い。 あのひとの青い時間が、 気になって気になる その人だけのものに、 踏み込めるのは限ら

作詩 〈ふたり〉

私はあなたのことを、 どれだけ知っているのだろう 一緒に居たい気持ちと 好きな気持ちじゃ足りなかった だってあなたは、 離れていってしまった 私の見ていない所であなたは、 何を想うのだろう いつだってあなたからの便りを待って 知りたくて分からなくて あなたを夢で見ては期待する 私のことを、 あなたはどれだけ知っているのだろう 背も性格も 他の人より近くて大好きで 足りなくて欲しがって 同じ時間を過ごせたら私は幸せになる 飛んでいけたら良かったのにと、 何度も想う 誰よ

作詩 〈走る〉

何度も笑った 話した 走った 居場所をくれた 学校のグラウンド 長く急な坂の先にある競技場 先輩 後輩 仲間 日常にあったはずのものは 想い出すものになった 叶わなくても あの頃に戻りたいと思ってしまう 走ることが好きな気持ちを 呼び起こす 今でも心の中で 想像の中で 自分が走っている 仲間やライバルが居て 毎度緊張する召集の時間を越えて あの頃の フォームで スピードで 感覚で 風を感じた 気がした、だけだった これまでに 何台のハードルを跳んだのだろう 総じて

作詩 〈生〉

毎日生かされている 人 動物 植物 映画 音楽 言葉 たまに"死にたい"と思う "逃げたい"の間違いだと 気づきながら平和に 今日も生きる なるべくそばに居て欲しかった人は そばには居ないけれど これからも くり返し くり返し いつか死ぬその時まで ちゃんと自分でいたい 心のままに生きたい 美しいものを見る 感じる ねむたくて寝る 泣く 笑う 今 最高に生きている 支えられながら 願いながら 羨みながら 感謝しながら 「生」そのもので。

作詩 〈響〉

ヒビキ その名によく似合う その名がよく似合う ステージで輝く 声がヒビク 感情がヒビク 「響」そのもの いつだって遠く 近づいてはまた遠くへ ああそうか 羽ばたく ヒビキ 響 キョウ ヒビク いつか きっと 今以上に そう信じる そう願う 内に響いているモノは わかりたいけどわからなくてもいい また扉を開いていく

作詩 〈いつか〉

「いつか」はいつですか 「またね」はどこに向かうのでしょう 「バイバイ」はさみしくて 自分からは言いません 「さようなら」 別れは繰り返しめぐります 「いつか」は願いですか 「またね」は優しい気がします 「バイバイ」グッバイ。 また明日会いましょう いつか いつか 何時か。 時間は気まぐれ 近かったり 遠かったり ズレたり 不安になったり いつか、イツカ、いつか この先は進みますか 「いつか」に私は存在しますか 「いつか」のタイミングは合いますか 合わせるのですか

作詩 〈テトラポット〉

テトラポットの  なんとも丸いフォルムが好きだ 重く確かな あの物体が。 海に憧れた 自分が泳ぎたいとか  誰かと行きたいとかではなく 自分以外の人間が 海で尊い時間を過ごす姿を観たい そして感じたい 海の大きさと自分の小ささを あわよくば 大好きなお守りの あの曲を想いながら 海を観たい テトラポットが愛おしい 砂浜にはシーグラスがキラリ カタチの綺麗な貝殻があると 楽しそうに笑うあなたを観られたら 目に焼き付けようと必死に想うだろう 気付けば うつくしい幻想 海に

作詩 〈夢〉

夢みたいだと思ったら 夢だった 夢のなかでは逢ってくれるあの人のこと いつだって記憶している あの人のままで 舞ってはじける 幸せな幻想 覚めないでいたかったと 今日も生きながら想う 夢なんかじゃなく もっと確かなものが欲しい 笑って生きてくれていれば それでいいと たよりがないのは元気な証拠だと 綺麗事を思っても変わらない あの人が私に必要なこと 特別で だからさみしくてたまらないこと 今日も好きだよ これも夢ですか いつまで持つだろうか こわれないように こわさ