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作詩 〈青い〉


映画を観た、
高校生の話。

どうしてもあのひとを想った、
想いながら観た

あのひとが観たら、
どんな表情をするのだろう

その横顔を見てみたいと考えながら、
高校生活を想像した

取り戻せない時間を知った、
それは皆に平等に、
確かに生きて居たこと

その人が信じ、
ありたい姿がほんとうで
どこまでもめんどうくさいもの

同時に、
まぶしくはかなく青いもの、
誰もが通ること

青い。

あのひとの青い時間が、
気になって気になる

その人だけのものに、
踏み込めるのは限られる

知っていてわかっていて、
苦しくて苦しい

私の中の青に
あのひとがいる

青くてしんどくてまぶしくて、
壊れてしまいそうな、
そんなような、


いずれ青い時間を生きれなくなると理解して、
せつなくなる

知らなくていいことまで知って
あのひとからの便りは今日も来なくて、
光が弱まる

知らなくていい、
知りたい

このままでいい、
変わりたい

死んでいい、
生きていたい

いっそ壊れていい、
大事にしたい

相対だらけの、
うっとうしいそれ、
その青さ。

どうしても生きてる、
きっと確かに

今日も好きだよ、
おやすみ

あの人が、
今年は会ってくれますように


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