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中国・横店影視城に個人旅行で行ってみた。その4


旅行4日目:春秋唐园

昨日から体調が悪い同志に付き合い、のんびり朝食。食欲は変わりないようでひと安心。とはいえ、大事をとって今日はホテルで休むとのこと。
というわけで、図らずも今日はひとり行動となったのでした。
20代のころアジアやインド、ヨーロッパに何度もひとり旅をしていたので、海外での単独行動に不安はない私。ところが! 出発時にひとりロビーのソファに座りタクシーを呼ぼうとアリペイを立ち上げると、昨日まで使えていたクレカが使用停止されているじゃないですか!!
ひえぇぇぇ、恐ろしい~~!
なんともタイミングのいいことに、昨日もう1枚のクレカをアリペイに念のため登録しておいたので、そちらが使えてタクシーを呼ぶことにはなんとか成功。よくやった! 昨日の私! よかった~~ 。
しかし、このタクシーを呼べない恐怖がこの日の行動を制限することになるのでした ( ノД`)シクシク。

4日目もしとしと雨。寒い!!


春秋唐园に入れた!

私にとって春秋唐园がこの旅いちばんの目的地だったので、タクシーが入口に着いただけでもう感動…胸熱…言葉にならない…。

タクシーで「春秋唐园」を指定するとこのゲートに降ろされる。

しか~し! 入場できなければ意味がないので、恐る恐るゲートにいた警備員に入場チケットは買えるかと尋ねたところ(もちろん翻訳アプリ)、「可以」(できる)とのこと。電子マネーに不安があってしかも空港で両替した現金がまったく減っていなかったので、予習してきた唯一の中国語文章「可以现金吗?」(現金で払えますか?)と聞くとそれには首を振られる。しかたがないので、恐る恐るアリペイで決済してみると支払い不可…。
これでダメだったらホテルに戻ってクレカの使用停止解除の手続きをするしかないと、絶望的な気分でWeChatpayを立ち上げ決済。すると! なんとか決済ができた!!
うわぁーーん、よかったよ~~!!

北城

警備員さんから入場チケット代わりの腕輪? をもらって感無量の私…。

まぎれもない家宝。


気が大きくなって、警備員さんとゲート周辺に集まる謎のおじちゃんたちに日本から持参したキットカットを大盤振る舞いするも、なぜか嫌がられる。お世話になったお礼にあげようと思ってわざわざ日本で買って持ってきたのに、旅行中のほとんどの中国人が拒否顔なのはなぜ…? キットカット(しかも抹茶味)って中国人が爆買いしてるよね? 大人気なんじゃないの?
謎は残るものの、意気揚々と中に入る私。観光客どころか人が誰もいない…。交通標識みたいな看板はあるものの、どこへ向かえばいいのかよくわからない。

春秋唐园のガイドはこれだけ…。

日本から用意してきた(同志が)、春秋唐园のロケ地メモを取り出して行く先を確認。ひとまず「あの橋」に行こう!

「あの橋」 ©横店影視城Weibo
「あの橋」 ©横店影視城Weibo


ちなみに晴天の秦王宮から打って変わって昨日から極寒になってしまったのだけど、私の服装は薄いジャケットとレインコートにマフラーだけ…。
さ、寒いよぅ… (TДT)エーン。このだだっ広い殺風景な丘をとにかく歩いて体を温めるしかない。

なにこの風景…寂しすぎやしない?

メモによれば「あの橋」は北城エリアにあるので、しとしと雨の中ひとり「忘羨」を熱唱しながら(誰もいない)、砂利道を歩くこと5分。
北城(らしきところ)に到着。

場所間違ってないか不安すぎて工事のおじさんに「北城」って書いたメモ見せて現在地確認。

北城は町屋エリアで、昨日の晴明上河图と似てる感じ。町家も気になるけど、とにかく「あの橋」を目指してずんずん進む。
それにしても誰もいないな!
こちらも説明より写真でどうぞ。

おお~っ!!でも誰もいないんですが。
はっ……(語彙喪失)
ここだぁ~~~~~~~~~~!!!!
第一城人も発見(作業員さん)。
心が踊るっ (゚∀゚*)(*゚∀゚)♪
この景色も見たことある~~。
とりあえず3泊でお願いします。
離れたくない…。

橋に着いたときの感動はもう言葉では何も言い表せないのですが、この場所に彼らがいた・この橋板を踏んだわけなので、ひたすら橋をぐるぐるして橋板を踏みまくる。川べりの建物に侵入して(禁止されてるわけではない)写真を撮りまくる。天気がよかったら橋の上で大の字になって小一時間過ごしたかった…(邪魔)。
まだ帰るわけじゃないのに橋の上から動きたくない思いにとらわれつつも、じっとしてると寒いので町家に移動。

いや~見たことある。
なぜか懐かしい場所。
おかえりと言われているような…。
もしや実家か?

ちなみに北城エリアで発見したトイレにはペーパーがなかったし、掃除も不十分。それでもあの橋から最短距離のトイレなので、もしかしたらおじゃやいーぼも利用したかも! とトイレですらワクワクがとまらない…。春秋唐园、コスパ最強。
町家の端まで行くと、ちょうど橋の向かい側。そこから先に何やら別の撮影基地が見える。あれが唐城かと、歩き出すとその通り看板があり大正解。

唐城

なんかある。
行ってみる。

唐城は入り口に立派な門がいくつかあって、門壁から階段をあがって門の上に出ると、まさに工事の真っ最中。誰も私を気に留めない。
存在感薄すぎたかな。

どこまでも登れるってすごくないですか?
寒くなかったら全部の門に上ったのに!!
おじさんたちに全無視される。
いちおう「你好」は言いましたよ。


今はどうかわからないけど、春秋唐园に立ち入り禁止の場所はほとんどなかったし、どこに入っても怒られなかった。撮影中で南京錠がかかってる場所はあったけど、撮影中なのに入れた場所もあったから、中国よくわからない。観光目的で作られた場所じゃないので、建物に穴があいてたり足場が悪かったりすることもふつうにある。自分の判断と責任の範囲で行動しましょうね(どの口が言う)。

唐城内部は邸宅が多く立ち並んでおりました。

寒くて立ち止まると凍死しそうなので、ロケ地メモも見ずに写真を撮りながらガンガン進む。
唐城もそうだけど、春秋唐园に暖かい屋内で休めるところは皆無なのでした。っていうか、観光用の景区も室内で暖かいレストランとか見かけなかったな。ほとんどが野外、もしくは半野外のレストランでした。
真冬が恐ろしい!

寒くて立ち止まれないので唐城をぐるぐるして、北城に戻る。
北城は撮影に向けて飾り付けの真っ最中。
はあーーっ、帰りたくないなあ!! 天気がよかったら、お昼を持ってきてここで食べれば1日過ごせるのに…。
結局寒さに耐えられず、後ろ髪をひかれつつ残念極まりない気持ちでしかたなくしぶしぶとため息をつきながら未練たらたらで入口ゲート近くの南城・3号山に移動。こっちは車の出入りが多く、なにやら撮影が行われているよう。

南城(3号山?)

戻ってきちゃった…(TДT)ウウ

こちらは民家が多く立ち並ぶエリア。
交通標識によると南城と3号山は同じ方向にあるんだけど、どこからが3号山なのか…。2つエリアがある割には狭く感じたから、私が行ったよりもっと奥があったのかな?
案内が少ないし、作業員さんと撮影スタッフらしき人以外、ほとんど人がいないので春秋唐园の全容はさっぱりわからないのでした。

町と邸宅が並ぶ。
作業員さんたちのランチに遭遇。
饅頭とおかず、スープがもらえるらしい。
写真を撮らせてもらう。めっちゃうまそう。
(一口もらえないかなという淡い期待)
スープくらいなら分けてくれないかなという淡い期待。
春秋唐园唯一?の超市。たいした品揃えナシ。
撮影中。入れないことはなさそう(ダメ!)。
あれ…ここ、カメラスタッフいる。
入口にいたスタッフに制止されることもなく中へ入ってみると、奥の広間で撮影本番中。
戸口の脇に控えているのは待機中の演者さんたち。台詞が聞こえてくる~。

全体を把握できてないけど、イメージ的に春秋唐园はロシアの巨大採石場みたいなところでした(ひどい…)。採石場のあちこちに点々と撮影基地がある感じ。
私が行けたのは、北城と唐城、南城それと3号山?
1号山と2号山に続く道は、先の見えない砂利の山道。人は誰も通らないし工事用のトラックでさえほとんど通らないので、とてもじゃないけどひとりで進む気になれず心が折れて断念…。無念。おおがかりなセットだった『康熙帝』の河岸工事のロケもこの春秋唐园で行われたらしいので、きっと山を登るとまた違う景色が見られたはず。

天候が回復しないかなと南城の民家の軒先でちょっと待ってみたけどもまったくその気配はなく、名残惜しいけど、とにかく寒くて寒くて我慢できないので、春秋唐园を離れることに 。
ちっきしょーーー! 絶対また来るからな!!

ちなみに、2024年1月現在で横店影視城のWeChatアカウントを見たところ、春秋唐园の予約受付が停止されていました。理由はわからないし一時的なことかもしれないし、私のように現地に行ってしまえば入場できるのかもしれません。ご参考まで~。

時刻は午後2時過ぎ。タクシーを呼んで別の景区に行こうかとも思ったけど、行った先でアリペイが使えなくなる恐怖からタクシーを呼べず。
街歩きを兼ねて、徒歩でいけるところまで行ってみることに。

健康石?がびっしりで歩道なのに歩けない。ひどい。
ドラマや映画のクレジットで見たことあるかも。
巨大な団地。スタッフさんやエキストラさんの住宅?
明清民居博覧城の入口発見。受付のおじさんにチケット見せたけど、ここからは入れないみたい。
撮影エリアに接続してるゲートなのかも。
横店エリアの至る所にあるレンタル電動バイク。
晴れてたら乗りたかった!
秦王宮まで1.5kmか。


寒さのせいで体がぐったりしてきたので、暖かいところで休みたい。どこか食堂でも入ろうかな。しかし、この日はおなかの調子が悪くてトイレの心配があり、トイレまわりに期待できない大衆食堂は不可…。
寒さのせいでメンタルも弱ってきたので、悔しいけど、通りかかった高級そうなホテル併設のおしゃれカフェに避難。あったかい~~清潔~~ (T0T)!

できれば回避したかったタイプ(日本と変わらないので)のおしゃれカフェ。
非常にくやしい。
おしゃれカフェラテは味も日本と変わらず。
18元くらいだった。


これまたおしゃれなカフェラテとケーキ(あんまり美味しくない)を頼んで、英気を養う。
中国ではカフェでゆっくりする文化がないと聞いてたけど、たしかに私が滞在してた30分の間に私以外で席に座る人は誰もいなかった。コーヒーを買いに来る客はたくさんいたけど、テイクアウトか店先でわいわいやって帰っちゃう。
だから30分も長居してる私をスタッフは「早く帰れ」圧出してチラチラ見てくるけど、トイレに行きたいしもう少しいさせてくれ。
期待通りの清潔かつこの旅最初で最後のウォシュレット付きトイレに満足し、再び出発。心が温まった~ (о´∀`о)。
今いる場所は明清民居博覧城の脇の大きな道で、繁華街ではないけど、お店の数はそこそこ。気になるものを見つけたりいい匂いがしたりしては立ち止まりパシャリ。

だいすきジャクソン・ワン。
足浴って、天国かよ…。
(メンタル弱り気味で入る勇気でず。悔しい)
すごいいい匂いがしたので思わずパシャリ。
のちのち戻ってこられるとは!
色あせてるけど、いーぼも発見。
街舞でおなじみのドリンクね。


また30分ほど歩くと明清民居博覧城の入口近くらしき広場に到着。入れないかなあとうろうろしてみるけど、ゲートのようなものはまったく見えず。
雨がさらにひどくなってきて心が折れそうになってるところに、循環バスらしき車発見! 行く先も確かめず慌てて飛び乗る。
運転手さんに何か言われてるけど、もちろん中国語なのでさっぱり理解できず。たまたま居合わせた青年(タダ乗りしてるもよう)が翻訳アプリで行く先を聞いてくれたので、とっさに出た(書いた)ワードがホテル近くの「秦王宮」。循環バスだからA線なら客運中心経由で横店エリアを一周して、どこかの景区で降ろしてもらうこともできるなと思ったのに、このバスはB線…。乗車5分で秦王宮に着き、下車させられたのでした… (T_T)。

飛び乗ったバスの車内。
ちなみに乗客は運転手さんとタダ乗り青年と私のみ。
秦王宮と梦幻谷の間にあるバス停で降ろされた。
無念…。



クレカ使用停止との闘い

秦王宮の前をぐるぐるしながら、早めにホテルに戻ることに。まだ有効なチケットあるんだから秦王宮にもっかい入れてくれてもいいのになぁ。
ホテルに戻ると同志はだいぶ快復しており、夕飯は少し遠出できると。2人いればタクシーも怖くない! というわけで、先ほどの街歩きで見つけた東北鍋のお店に行くことになりました。
夕飯時までまだ時間があったので、日本のクレカのコールセンターに使用停止解除の連絡をする。
長い保留音に耐え(その間も電話料金がかかる)、やっと三井住友のコールセンターにつながり調べてもらったところ、出発前に日本でアリペイのツアーカード(プリペイド機能)に入金した時からこのクレカはアリペイ使用停止になってたとのこと! それなら早く言ってくれよ~(無理)。本人確認をして(勤め先の電話番号を聞かれた)、やっと解除成功。当日夜には再び使えました。
クレディセゾンのコールセンターは保留音で10分以上待ってもつながらず、滞在中の使用停止解除を断念。こちらのクレカは中国での利用には不向きと思われます。
そもそも海外旅行での使用にはエポスカード最強説があるけど、たしかにエポスカードは使用停止にならなかった。ただこれは、万が一カードが盗難にあった場合も使用停止機能が働かないかもしれないってことと表裏一体の話なので、どのカードをを選ぶかはしっかりご検討を!

夕飯へGO!

さて、ホテルでのんびりしてたら、19:30から江蘇省チャンネルで(中国には全省それぞれのTVチャンネルがある)、いーぼ主演のドラマ『冰雨火』が放映されるとわかり、にわかに門限確定。急いでホテルを出る。
同志が呼んでくれたタクシーで5分、昼に通りかかったレストランに到着。
まだ18時くらいなのに、店内は満席で順番待ち。どうしていいかわからず、あわあわと挙動不審。とにかく自分たちをアピールせねばと、他の客を押しのけて(中国で学んだ処世術)カウンター受付係の若者にアタック。外国人だとわかったのか対応してくれて、とにかく待てとのこと。
待っている間に翻訳アプリでおすすめのメニューを聞くと、牛肉の鍋を薦められたのでオーダーを決める。しかし、バス無料乗り青年といい、この受付の男の子といい、若者たちは翻訳アプリにすごーく慣れている印象。一方で中高年は、翻訳アプリのマイクを向けると恥ずかしがって逃げるのでコミュニケーションに苦労しました。
20分近く待ってようやく着席。テーブルに大きい穴があいてる。これが鍋でここに食べ物を入れるのかな?



鍋でかっ。
中国のレストランでおなじみ?
衛生食器セット。


同志が通りかかったスタッフに注文は通ってるのか確認すると、まあ待てと。空腹で気が短くなってるおばさんたち。我慢しておとなしく待っていると、具だくさんのスープを運んできて目の前の穴(鍋)に注ぎ入れる。ガスに火をつけ煮込むこと10分、またスタッフが来てくれて今度は鍋のふちが熱々なところにちょっと緩めのパン生地的なものを貼りつけていく。鍋の熱でパンを焼くのね! 合理的~。また蓋をして待機。
うきうきして待つ我々の横を、スタッフが通りすぎるたびに、もうちょっと待ってとかのジェスチャー。疲れたおばちゃんにはやさしい気遣いが染みる染みる…。

鍋に油を塗って
熱々の具入りスープをイン。
蓋をしてしばし待つ。
激熱の鍋にパン?を貼り付ける。


グツグツしてものすごい蒸気。焦らし焦らされてようやく蓋をあけてもらう。
いい匂い!! まず、スタッフが鍋ふちで焼いたパンを取り分けてくれる。あとは好きに食べていいもよう。
鍋をすくってみると、ゴロゴロした牛肉と大量の激長いんげん(20cm以上。麺かと思った)とじゃがいもが。スープはスパイスがふんだんでなんとなくカレーっぽい。牛肉はよく煮込まれていてホロホロだし、いんげんもじゃがいもも味が染みてるし、なによりスープが激うま!
パンと思っていたのは、食べてみるとふわっとほんのり甘い、素朴なパンケーキの感じ。帰って調べてみたら、とうもろこし粉のパンケーキだそう。おいしいけど、この鍋に合わせなくても…な感想。
二人前にしてはけっこうな量なので、完食は無理でもまあまあ食べた。残りは持って帰りたかった。モッタイナイ! 食べてる間もスタッフがちょこちょこ来て美味しいか聞いてくれる。みんな、優しい。
ゆっくりしたいけど、いーぼが待ってるので(語弊)食べ終わったらそそくさとお会計(188元)。ていねいに対応してくれたスタッフの男の子に、同志がキットカットをあげると大喜びしてくれた! 彼が今回の中国旅行で唯一キットカットを喜んでくれた人なのでした。どないやねん。

ホテルに帰って、いーぼ鑑賞タイム。

『冰雨火』が放映されていた期間だけ、視聴率が全国1位になったらしい江蘇省チャンネル。


明日はもう横店を去る日なので(早すぎる!)、荷物の整理などをしてこの日は就寝したのでした。部屋もおなかもあたたかくって幸せだなあ。(梅先生にも味わわせてあげたいこの暖かさ…)

「中国・横店影視城に個人旅行で行ってみた。その5」に続く。



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