病は気から3
筒井:ねぇ〜君さー受験大丈夫なの?
僕たちは高校3年生、彼女は例外だが僕然り殆どの同級生が大学受験が待ち構えている
〇〇:んーまぁぼちぼちですかね
筒井:ちゃんと勉強しないとダメだからね〜!大人になった時困るよ笑
そう彼女は言うが僕は今、絶賛
彼女と遊園地デートをしている
〇〇:じゃあ何でこんな所に呼んだのさ
筒井:だって君には息抜きが必要でしょ?
筒井:ここさ?ちょーっと狭い遊園地だけど人居ないから空いてるしアトラクションが4個も5個もあるんだよ!楽し過ぎない!?ね!!ね!!!
彼女はそう目を輝かせながら僕に問いかける
こうなったのには訳があって…
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筒井:おはよ〜!〇〇くん
いつも通りの登下校、彼女も1ヶ月経ち平穏な学校生活に慣れてきたらしい
相変わらず友達作りには苦戦してるっぽいけど…
〇〇:おはよございます…今日なんか元気だね
筒井:え、やっぱ分かっちゃう?笑
彼女は気づいてないのだろうがいつもとは比にならないほどの笑顔で彼女は登校していた。
〇〇:そりゃ分かるよ……
筒井:今日さ喫茶店行かない!?
〇〇:今日…?
筒井:そ!今日!!え、あれ知らないの?
〇〇:あれって…?
筒井:じゃじゃーん!!
彼女が喫茶店のチラシを見せてくる
〇〇:なにこれ?
筒井:抽選会!!
〇〇:抽選会…?
筒井:そうそう!一等はデズニーのチケットなんだって〜!行きたくない?絶対当てれるから!
〇〇:いや、そういうのに絶対なんてなくて…
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筒井:当たったーー!!!!!!
〇〇:えぇ…?
筒井:ほら〜言ったでしょ?笑
〇〇:君…本当に何でも運が良いね…
筒井:病気になるくらいにはね〜笑
〇〇:あ、ごめん…
筒井:ん…?あ、いや傷ついてないから大丈夫よ笑
彼女は僕に笑顔で笑いかけながら言う。僕が失礼なこと言ったせいで
〇〇:ごめん…あ、で、デズニーまじで当たったの…?
筒井:ん?違う違うこれ!
そこに書かれたのが今いる3等の遊園地だ。
筒井:あ、乗れないものとかある?苦手なのとかさ
〇〇:お…k…s…
筒井:え、ちょ聞こえない!大きな声で?
〇〇:お化け屋敷…
筒井:お化け屋敷……?え、男子…
〇〇:男女関係ないでしょ…
筒井:まぁね?ん…じゃあ〜お化け屋敷から行こっか!!
〇〇:え?いや……話聞いてた?
彼女は僕の手を引く、強引に引っ張らながらも止めようと色々な口実を試すが相手にしてくれない
〇〇:お化け屋敷だよ!?怖くないの!?僕無理なんだって!
筒井:私ね、お化け屋敷得意なんだ〜笑
〇〇:そういう事じゃ無くて……僕は苦手なんだって一…度も入ったこと無いんだよ…!?
筒井:ん?大丈夫だよ。私が付いててあげるから。それに、初めてが私なら怖く無く無い?笑
彼女は明るくそう言う、確かに病を患っていながらも勇敢な彼女と共になら…と深く考えて思う
〇〇:いや…全然怖いよ
筒井:だから大丈夫だってば〜!!
お化け屋敷怖い怖く無い論争をして約2分、僕たち2人はお化け屋敷に着いてしまった…
筒井:ねぇ……大丈夫?
〇〇:無理……吐きそう……
僕は彼女の背中に隠れながら歩いているが、正直彼女には情けない姿を見せすぎている。周りは暗くて足元には血飛沫があるようなそんな場所だ、正直心臓が爆発しそうだ。
筒井:〇〇って怖いの苦手なんだ〜意外だな〜笑
〇〇:意外ってなんで…
筒井:だって〜クールキャラぶってるじゃん?笑
〇〇:クールぶってるんじゃなくて友達がいなくて静かなだけだよ…
筒井:そこは自分でも理解してるんだ笑 自己分析◎と…
〇〇:そりゃあ…
僕が言葉につっかえる時に目の前からゾンビが出てくる
〇〇:うわぁぁぁぁあああ!!!!
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僕は気がつくとベンチに横になっていた…空も橙から青光っていた。
筒井:お、やっと起きた笑
筒井:も〜ありえないんだけど、普通気絶なんてする?笑
〇〇:気絶…あっマジごめん…
脳裏にいたゾンビを思い出し彼女に謝る。
筒井:ここまで苦手だとはな〜笑
あ、あと1時間しか無いし最後に観覧車行かない?休めるしさ
僕は筒井さんに手を引っ張られ観覧車に入る。
〇〇:あ……あの本当ごめん…せっかくの遊園地なのに気絶したり…男らしくなくて…
筒井:何で謝るの笑 まぁ〜確かにちょっと女々しいのには驚いたかも笑
〇〇:昔から怖いのだけは……
筒井:ふ〜ん、まぁペアの落ち度でもあるしさ?気にしないで笑
〇〇:ペアだからって……まぁうん…
筒井:もぉ…あ、ほら!!外見て!
そこには都会の街の煌めきが生み出す巨大イルミネーションが存在した。
〇〇:綺麗……
筒井:ほんっと…今日はさ、これ見たくて来たまであるんだ〜こんなの見たら忘れちゃうでしょ?
これ君と見れただけで本当っ最高の1日だよ…
彼女は一枚カメラで写真を撮りすぐ輝かした肉眼に戻る。
その姿はとても可愛いを通り越して景色よりも今まで見て来た何よりも綺麗で観覧車が下に降りるまでずっと見つめてしまっていた。
恋心は一切無しに
筒井:ふぅ〜…今日はデートありがとね!人生で最高だったよ〜
〇〇:人生最高って遊園地誰かと行った事ないの…?
筒井:死に際の人間が人生最高って言ったら落ち込まないかなぁって笑
〇〇:皮肉…
筒井:楽しかったのは本当だよ?あ、あとはい!これ!プレゼント! 彼女はカバンから綺麗なペンダントを取り出す。それには太陽のと月のとが彫られていた物があった。
〇〇:これいつ…
筒井:気絶中?笑
彼女からのプレゼントに大喜びな自分を抑えて黙々と月のペンダントを取る。
筒井:お〜センスいいね〜じゃあさ!これペアの証って事にしない?
〇〇:うん……!!ペアの証…
物の価値、それは何によって決まるのだろうか、与えてくれた人か、そのものの見た目かも知れない。でもその物の価値を決めるのは結局自分自身。
今彼女が手にしたは死ぬまできっと側に居てくれる者との誓いの証、彼もきっとそうだと思い太陽のペンダントを握りしめた。
筒井:じゃあ…また明日学校で!
〇〇:うん!あ、宿題忘れないでよ
筒井:あー……笑
〇〇:絶対やってないやつでしょそれ
筒井:さ、さぁ…?笑
〇〇:明日絶対見せないからね?
筒井:え、ちょ…〇〇先輩違うじゃないですかぁ…
〇〇:同級生ですー
筒井:そうじゃなくてっ…!!
この後も他愛のない会話も家に帰るまで続き初デート(?)は終えた。
それと同時に春を終え学生の夏が始まる事になるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夏…彼は受験勉強を捨て彼女との思い出作りをしに行くも【ルール2】の弊害・命の尊さを改めて理解することになる…
病は気から
to be continued……
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