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豪雨の側には恋がある1

僕の名前は〇〇
今年で大学一年生のふつーの、いや普通というと語弊があるかも知れない、友達も少なく恋愛も殆ど全くしてきてないコミュ症人間だ。

そんな僕がまさかあんな雨の中で……
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〇〇:はぁもう夜か…

外が暗く青光る夜
飲み会を終えデロンデロンの中、僕は電車を降りて最寄駅に着く
外は雨が酷く降っており…その上傘を忘れた僕は入り口をうろちょろ歩くしかなかった。

〇〇:すっごい雨だな…

うろちょろし続けても天気予報を見ると止むのは朝、家まで歩くには微妙な距離…どうしようと悩んでいたその時だった。

山下:あ、あの…大丈夫ですか…?

ショートカットの女子が僕の横に立っていた

〇〇:いや…大丈夫…ではないですね…傘が

山下:ですよね〜…笑

〇〇:はい……笑

山下:家は近い感じですか…?

〇〇:いや…向こうの坂登ったところですね…

山下:え、私もそこら辺です! 

〇〇:でも…あれだよね、君も、さ…

彼女の手には僕と同じく傘を持っていなかった。

山下:あ…いや、家駅からそこだし雨とか平気だと思ったんですけど…笑

〇〇:恥ずかしながら僕もで…

お互いの傘が無いことが判明し沈黙から雨の音が一瞬くっきり聞こえた時だった

〇〇:じゃあ〜こうしません?笑

僕は埒があかないと思い彼女の手を握る。それは別に好意でもなんでも無く僕の女子への興味の無さと多くは酔いからだった

山下:え……ちょ!?

〇〇:ほら、急がないと笑

彼女の手を握って僕は雨に降られてるとは思えないほど陽気に走った。
雨に打たれるのが気持ちよかった。何もかも流してくれそうで嬉しかった。

この状況の意味が自分でも良く分からなかったが彼女の横顔に見惚れながら走って走って走って走り続けた

山下:はぁ…はぁはぁ…疲れた…

僕等は坂を登りきり、彼女にとっては雨宿りの屋根、僕にとっての家(アパート)についた。
山下:君、脳筋すぎるでしょ…はぁはぁ…

〇〇:でも…こうするしかなく無かった…

そんなことはない

〇〇:あ、…じゃあ…僕ここだからさ…あ…

僕は駅から未だ彼女と手を繋いでる事に気づき、すぐさま手を離す

山下:あ…ごめんなさい笑 気づかなかった…

〇〇:こちらこそごめんなさい…

山下:いやいや!すっごい……雨の中暖かかったです…

彼女が無自覚なのか分からないが雨の音でかき消されながら至近距離でのセリフや上目遣い・さりげないボディタッチ、僕は完全に雨の中湯気が出るほど暖まっていた

山下:あ、じゃあ家なんですよね?じゃあ…また笑

〇〇:はい、また…

僕は階段を上がり階段下にいる彼女に手を振り別れを告げる。

〇〇:またって…もう会う事ないだろうけどなぁ

僕はすぐに部屋に入ると服を脱ぎ風呂に入って浸る。脳裏に蔓延る彼女の言葉と顔を思い返しながら……



『彼女との出会いは豪雨の側だった』


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イヌホオズキ《《いやいや〜雨の中…知らない女子と2人で手を繋いで…あんなイチャコラ…あ、おっと失礼…取り乱しちゃいました…ん?誰だって?
どうも…この物語の語り人の《イヌホオズキ》です。これから2人の物語をどうぞ一緒によろしくお願いします…ではまず僕の生い立ちから…え、「そんな事どうでも良い?」「早く2人の恋を読ませろ?」まぁまぁそう言わず…僕の生い立ちかr...え、あ、文字数多い?ちょ…も、もうちょっと…じゃ、じゃあ続き…どーぞ》》
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目覚まし時計が鳴り窓を開ける

〇〇:晴れてる…

窓の外には快晴が広がっていた。
僕は起きるとすぐに早めに支度をして家を出て大学まで歩く、いつもの日課だ。
でもいつもとは違う。
大学に着くとすぐ、後ろから昨日の女性が呼びかけてきた

山下:あ、おはよう!昨日の…だよね…?

〇〇:え、あ、はい…

なぜ彼女がそこにいるのか理解が追いつかないまま話しかけられる。

山下:え〜偶然〜!!ここの大学なの…!?

〇〇:そうですけど…

山下:私もなの!!ここの大学生!

驚きのあまり無言になりながら彼女に目がテンになる。

山下:どうかした…?

〇〇:いや…驚いちゃって…じゃあ…

山下:あ、ちょ!もし今日暇ならさ、お礼も兼ねてお昼行きません?

彼女は腕を掴んでそういう

〇〇:え、あ……いやぁ…でも……お礼なんて

僕はとある理由から渋る

山下:ね?ダメかな…お願い!
彼女は昨日のアパートの時と同様、今まで会ったことのないレベルで至近距離かつボディタッチをしてくる。

〇〇:わ、分かったから……近いって……

彼女の勢いに負け僕は了承した。
大学生活で初めての相席…?というやつだ。
山下:やった〜笑 じゃあ12:00に食堂で…!

彼女はそういうと、そさくさと友達の輪の中に戻っていった。
教室に入ると既に友達と楽しそうに話をしていた彼女に対し僕は1人で黙々と講義を受けるしか無かった。同じ世界にいるとは思えない程対極だ。

ー12:00ー
彼女が本当に来るかは分からないが、約束通りの時間に食堂に着く

山下:おまたせ〜!!ねぇ!そういえば名前知らないよね?友達に君の事聞こうとしたんだけどさ笑 名前知らないから聞けなくて笑

そういえばそうだ、名前も知らず相席を始めようとしていた…

〇〇:あ、〇〇って言います…

山下:〇〇くんね!山下美月です…大学一年の経済……って講義一緒だっけ笑

〇〇:そうですね…笑
自分のことを少しでも知っている事に驚きつつ平然と挨拶を済ました。

山下:まぁ立ち話も気まずいですし座ろっか…
彼女と僕は向かい合うように席に座り互いにうどんを頼んで食べ始めた。

〇〇:あれ……そういえば山下さん、講義の時にいた友達?は良かったんですか?

山下:あぁ、皆用事があるからって、後で来るのかな?だから助かったよ〇〇君がいて…1人で食べるより誰かと一緒に食べたいじゃん?

〇〇:そーなんですかね…? 僕にはちょっと…笑

山下:そうだよ〜だから〇〇くんと食べれて、すっごい嬉しい!

〇〇:『え〜…ど、どう言う事…〇〇君と食べれて嬉しい…え……』

僕は山下さんのー声で頭が回らなくなり、うどんを啜って意識をずらすしかなかった…

山下:ね、ねぇ相槌くらいさぁ……?

〇〇:ごちそうさまでした…

山下:って食べるの早っ!?

僕は今すぐこの場を去ろうと荷物を片付けて山下さんの事を無視して食堂を出た。

山下:待って…ちょ…ねぇ〇〇くん〜…?

彼女が僕を止めようと声をかけているのは分かる。が、僕にはある訳があってこれ以上いると彼女の天然なのかわざとな行動に惹かれてしまうと思った…

伊藤:あ、やっほ〜山〜!!ん、今誰かいた…?

ちょうど僕が食堂を出た頃だった、山下さんの親友が僕の相席を埋めていた。

山下:ん…?いや別に…?笑

伊藤:そ、あ!そうそう…今日ね…………
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〇〇:はぁはぁ…追ってきてない…

僕は山下さんからとりあえず離れる事だけを考えて外に出た。
窓ガラス越しに見える食堂には朝、山下さんと話していた女性が僕のいた所に座っていた。

〇〇:やっぱ女性はダメだなぁ……
中学・高校と周りがどんどん恋愛関係に巻き込まれるのとは対照的に恋愛0の生活を過ごしていた僕は無関係であろうと忠実に肝に銘じていた。

それはある訳と隠していた彼女の存在がいたのも1つの理由だ。
家に帰るといつもいてくれる存在、
幼馴染の““久保史緒里““だ。

中学・高校恋愛経験0の僕とは対照的にモテモテの彼女、久保曰く彼氏を作ったことは無いらしいが告白されまくっているのをよく見かける程のモテ女のお嬢様育ちの女子だ。何故か同じ大学という事でアパートも隣の部屋だからかよく僕の部屋にいてくれている。

〇〇:えーと…次は経済…教科書持ってる…2Fと…

山下:あ!ちょっと…ちょっと待って!

山下さんが階段を上がってくる。それを見て反射的に逃げようと階段を登ってしまった。

山下:ちょ…え!?待ってってば

〇〇:何の用ですかぁ!?!?

全速力ではないが僕はまだまだ階段を上がっていく

山下:ちょ…落とし物だってば…はぁはぁ…

そこには食堂に置いて行ったであろう僕のスマホがあった。

僕はすかさず階段を下り彼女の手からスマホをもらう

〇〇:ありがとうございます…すっかり忘れてました…

山下:うんうん!よろしい、じゃあ何かお礼して欲しいなぁ〜

彼女は疲れを忘れたかのようにニコッと笑顔でお礼を求める

〇〇:お礼…?何すれば…

山下:じゃ今度の土曜日にお出かけ♡

〇〇:お出かけですか…!?

山下:じゃあ決定で♡ 予定空けといてねぇ〜?

そういうと彼女と別れて講義を受ける。その後は何もなくすんなりと家に帰れた。

〇〇:ただいま〜…はぁもう今日はだめだ…

久保:お疲れ様〜どうしたの笑 いつも以上に疲れてるけど笑

〇〇:まぁ色々…もうご飯簡単なものでいいよね…

久保:うん!ハンバーグ♡

〇〇:いや、簡単なものって…

久保:ハンバーグ♡

久保からの目力の圧に負けてハンバーグを作ることになった…

〇〇:じゃあ作るよ…はぁ…

ソファから起き上がったその時だった…僕のスマホが震える

〇〇:ん…?

手に取ってみるとそこには『みづき』というアカウントからLINEが来ていた。

〇〇:嘘だろ!?

僕は声を荒げて驚く

久保:ん〜なんかあった?

当然久保が聞いてくるがバレると面倒なことになりそうだと思った僕は隠す

〇〇:あ、いや今日も夜は雨だって…

久保:あー笑 そんなんで驚かないの笑 私に関係ないし笑

〇〇:ごめんごめん笑

そうかわすとスマホの中を確認する

みづき:今日はありがとう♡
    今度土曜日にあの駅前に7:00集合で!
    お金は割り勘ってことになるから、
    ある程度持ってきてね〜!

〇〇:はぁ…大変なことになったかもな……

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イヌホオズキ《さて次回、どこにいくのかも分からないままお礼として2人きりで土曜日にお出かけすることになった〇〇、久保の存在から山下に堕ちる事は無いと思い向かうも………果たして…?》

豪雨の側には恋がある 1
to be continued………

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