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「おかわり問題」で生徒のやる気が出た話

今日は簡単な実践報告です。
授業でとりくむ練習問題に追加して、「おかわり問題」を出してみたら、思いの他、生徒のやる気が高まったというお話です。

◆おかわり問題とは

「おかわり問題」とは、簡単に言うと
教科書にもともと用意されている問題では満足できない人向けの問題です。

最近は、クラス内での学力が大きく二極化しており、学習が得意な生徒にとっては、教科書の問題では物足りないことが多くあります。
しかしながら、全体で学習を確認する場面においては、ある程度苦手な生徒をターゲットにした授業をせざるを得ません。

そんな時に、「終わった人は、この問題に挑戦してもいいよ」と提案すると、多くの生徒が意欲的に取り組みます。

◆実施の流れ

▼問題の作成

おかわり問題の作成に欠かせないものは「ChatGPT」などの生成AIです。

これまでも、「習熟度別問題」などは用意することができましたが、種類が少なかったり、それでも物足りない生徒がいたりしました。

私の勤務する地域では、デジタル学習ドリルが採用されており、早く課題がおわった生徒が活用する場面も多くあります。
しかし、特に英語学習で言うと、単に「知識」を問うだけの問題が多く、発展問題とはいえ、物足りないと感じる生徒が多くいました。

そこで、活用するのがAIです。
プロンプトを上手に使うだけで、さまざまなレベルにあった問題を瞬時に作成してくれます。

問題作成のサンプル

指示はある程度適当でも問題ありませんが、
・学習者のレベル
・どのような種類の問題
というような情報を入れておくと良いです。

サンプルでは、「CEFR A1に満たないレベル」であることと、「Yes/Noで答える問題ではない」ことを伝えました。

また、「解答例と解説を表示して」と指示をだせば、それを出力してくれます。

解答例と解説

このように出力すれば、あとはタブレット等を使用して、生徒と共有するだけです。

これまで、教科書以上の問題を作成する場合には、手間と時間がかかっていましたが、この方法であれば、授業中に作成することも可能です。
生徒の反応をみながら、「もっと難しい問題」を用意することもできます。

▼生徒への指示

このように「おかわり問題」を実施する理由は、生徒がそれぞれの進度で学習できるようにするためです。

そのために、問題演習の際の指示は、以下のようにします。

「1〜3の方法で活動しましょう」
1:1人で取り組む。
2:2〜3人で協力して取り組む。
3:先生と一緒に取り組む。

すると、生徒はそれぞれが希望する方法を選択します。
早く進んでいく生徒「1」を選択し、はおかわり問題にも手をつけます。
ゆっくりな生徒は、「2」や「3」を選択し、じっくりと基本的な問題に取り組みます。

この学習時間には、座席の移動を許可し、自由な場所で取り組みます。

「3」を選択する生徒も少なくなく、この時間に少人数指導が可能です。

◆生徒の反応

生徒の反応は想像以上に「よい」ものです。

おかわり問題に取り組む生徒からは
「もっと難しい問題を出してください!」や、「この単語習ってないですよね?じゃあ調べます。」などと、前向きな発言が増えました。

個別指導の時間が増えたので、上記の3「先生と一緒に取り組む」を選択した生徒からは、「なるほど、わかった!」といった発言も聞こえます。

◆まとめ

今回は、簡単に「おかわり問題」という簡単な実践をまとめました。

おかわり問題を提供することで、得意な生徒にも苦手な生徒にも、両方ともにメリットのある授業ができました。

特に、AIを使用することで、より持続可能性が高まり、教員の負担が少ない状態で、生徒の学習意欲が高められることが魅力です。

もっともっと、授業の個別最適化については考えていかなくてはいけません。
もちろん、「先生が出す課題をこなす」だけでもいけません。
少しずつでも行動していけたらと思います。

以上、簡単な報告でした。

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