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「残業代支給」で教員の仕事は減るのか考えてみた。

みなさん、こんにちは。

最近、給特法の改訂や、残業代の支給など、教員の労働環境に関わるニュースが多くなってきました。

現在は残業代なし、教員の給与や勤務条件見直しを議論…文科省有識者会議』(読売新聞オンライン)

現在、学校の教員には「給特法」という法律が適応されており、どれだけ勤務しても一定の給与しか与えられない状態が続いています。

日頃から、どれだけ働いても同じ給与である状態、つまり「働かせ放題」に疑問のある私にとっては、非常に興味深いテーマです。

そして私は、残業代が支払われるようになれば、教員の仕事は減ると考えています。

今回は、なぜ教員の仕事が減ると思うのか、その考えに至る理由を3つ紹介します。

残業代支給で、教員の仕事が減る理由

「時間=お金」という意識改革が起こる

残業代が支払われるようになると、一番大きく変化することは、
「教員の仕事にはお金がかかる」という当たり前の意識が芽生えることです。

現在、教員がどれだけ働こうとも、支払われる給与は同じです。
教員の給与は「固定費」となっているので、その労働力をどれだけ使おうが使わまいが、関係ないのです。

それが、全体に蔓延していることが問題です。

※最近では、「残業時間を減らしましょう」という風潮が強まっていますが、学校はまだまだ勤務時間にルーズです。

もちろん、「子どもの教育」である以上、全てを「お金」で切り離すことはできないでしょう。
しかし、「サービスには適切な報酬(お金)が必要」という考え方は、資本主義が根幹にある日本においては当たり前のことです。

残業代が支給されることによって、そういった「お金」の考え方が、多くの人に浸透していくきっかけになるのではないでしょうか。

「残業代を払ってまでやる仕事か?」と考える

残業代が支給されるようになれば、管理職は必ず行政から指導があるはずです。

「なぜ、こんなにも残業(時間外勤務)があるのだ!」と。

これまでも「働き方改革」として、残業が多い学校の管理職には、行政側からの指導がありました。
しかし、現場の教員がどれだけ残業をしていようが、行政側には基本的に何も負担もないわけです。

ところが、残業代が発生するとなると、そんなことは言っていられません。
行政側に残業代を支払う義務が発生するなら、行政側は必死になるはずです。

なぜなら、支払うことのできるお金(予算額)は決まっているからです。
無いお金を支払うことはできません。

すると、行政や管理職は何としてでも残業を減らすように指示をするはずです。

そのため、「残業代を払ってまでやる仕事か?」と考えることが増えます。

非常に多くの業務が、「子どものために」という「感情的な議論」で認められてきました。
もちろん、感情論は切り離すとができませんし、感情があるからこそ、救われる子どもがいることは事実です。

しかし、「お金」というより現実的なものが発生することで、これまでにない「論理的な議論」も行われるのではないでしょうか。

「教員より安く仕事をしてくれる人」に頼む

「残業代を払ってまでやる仕事か?」と考えて、業務が減ったとしても、それでも残業しないと学校が回らないことがあります。

教員の給料は、決して安いわけではありません。
そんな教員に対して残業代を支払うとなると、それなりの費用がかかります。

言い方は失礼かもしれませんが、そんな時に考えられる方法が
「教員よりも安く仕事をしてくれる人」に任せることです。

例えば、

  • スクールサポートスタッフを採用する

  • 地域のシルバー人材を活用する

  • 外部の業者に委託する

といった方法が考えられます。

よくよく考えてみると、今の学校にある仕事のうち、「教員」が行うべき仕事はどのくらいあるのでしょうか。

もちろん、授業をするには、教員免許を持っていることが必要になりますし、成績処理などは教員が行なったほうがよいでしょう。
また、生徒と直接関わることも、「信頼関係」という点で、日頃関わっている教員が良いということもあるでしょう。

しかし、実は「教員」じゃなくてもできる仕事がたくさんあります。

  • 会計・集金業務

  • 給食の発注

  • さまざまな調査やアンケートの集計

  • 備品の管理

  • 校舎の修繕

  • 敷地内の草刈り

  • タブレットや放送機器の管理、設定

逆に、これらの業務には
「教員じゃない、スペシャリストに任せた方が良い」ということも考えられます。

最近導入されたタブレット端末の設定や管理については、まさにこれに当てはまります。
「専門性のない教員の時間と残業代を使ってやるよりも、専門業者に任せた方が安く確実にできる。」

こんな考え方を、学校側がもつ勇気があると良いですね。

「生徒のために、教員が何でもやりましょう」という考えは、すばらしいことですが、完全に肯定することもできません。
「教員以外に任せる」ことは、非常に現実的な方法です。

まとめ

今回は、今話題の「教員の残業代」について考えをまとめました。

私は、教員に残業代が支給されるようになれば
「教員の業務は減る!」と考えています。

その理由は以下の3つです。

  1. 「時間=お金」という意識改革が起こる

  2. 「残業代を払ってまでやる仕事か?」と考える

  3. 「教員より安く仕事をしてくれる人」に頼む

私自身、教員という仕事に魅力を感じていますので
「生徒のために、いろいろとやってあげたい。」と思うことはたくさんあります。
全てを「お金」で切り離すことは難しいですし、それが良いことだとも思いません。

しかし、現実的に考えれば、そういった感情論では学校は成り立ちません。
教員の「やりがい」だけでは、学校を持続させていくことは不可能です。

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