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【自民党総裁選私見】「おやじネットワーク」敗れる 企業は?

こんちは!副業社労士まさゆきです

自民党総裁選が終わりました。決戦投票に残った石破さん、高市さんに対し「嫌われ者2人から1人を選ぶ究極の選択だ」議員が悩んだとの報道が。ご両名とも「無駄な飲み会に出るより勉強したい」タイプだそうで、特に石破さんは「一緒に食事しておもしろくない」「馬鹿話して、酒飲んで酔ってってことをしないから仲間が増えず議員票が伸びない」と散々な評判でした。つまり、「おやじネットワーク」による人脈作りをしない2人が決選投票に残ったのです。画期的でエポックメーキングな出来事です。

「おやじネットワーク」組織で多数派の男性間で暗黙の内に築かれる独特の文化、約束事、人間関係のことです。「男性同士の雑談やコネ・人脈で物事が進む」「たばこ部屋・飲み会・ゴルフでの話が決定事項になる」明文化されない非公式で排他的な仕組みで物事が決まります。
政治の世界では、安倍さんの「政治家は無駄な時間を一緒に過ごすことが大事」という言葉が象徴的です。「派閥の領袖が推す候補が総裁になる」「組閣人事は派閥の意向抜きに出来ない」飲み会等排他的な場で人事が決まり、その場に参加しなければ総理総裁になれない仕組みでした。
この仕組みが壊れ「おやじネットワーク」に頼らない2人が決選投票に残りました。「おやじネットワーク」が敗れた総裁選です。

「おやじネットワーク」は何故敗れたのでしょうか?
1つ目は党員・党友票(地方票)の重みです。今回総裁選票数は議員票:地方票=50:50。地方票に「おやじネットワーク」は関与できません。石破さんはマスコミを通じ、高市さんは精力的に地方講演を行い、共に地方の声に耳を傾け地方票を増やしました。
2つ目は派閥解体。「おやじネットワーク」の基盤だった派閥が無くなり議員は自由意思で投票しました。
3つ目はSNS。高市さんがSNSで地方票を伸ばしたとのこと。また、各議員の投票決定にSNSの反応が影響したようです。総選挙が控えた今回、自らの選挙を考えるとSNSの反響に敏感になります。
これらが「おやじネットワーク」の敗因となりました。

「おやじネットワーク」を否定するつもりはありません。組織が意思決定する際、予め、本音を聞き、正式な会議では反対意見が出ないようにする“根回しの場”として「おやじネットワーク」は最適です。
昭和入社の私は「おやじネットワーク」世代、飲み会で根回しする、人事は飲み会で決まる経験をしてきました。後輩にも「出世したいなら上司との飲み会は大事」と話したものです。「おやじネットワーク」は組織の円滑な運営に一定の役割を果たし、私はその存在を否定しません。
ただ、「おやじネットワーク」に所属しないと出世できない、上司との飲み会は断れない、というのは間違いだと思います。「おやじネットワーク」に関わらずとも出世する方法があるのが正しい組織です。
「おやじネットワーク」の色が一番濃いと思われる自民党で「おやじネットワーク」に関わらないやり方で決選投票に2人が残った、エポックメーキングと私が考える所以です。

「おやじネットワーク」も黙っていないでしょう。所属員にとって「おやじネットワーク」は“生き方”であり“居場所”です。これまでの生き方を否定され、居場所を奪われ、黙っていません。「おやじネットワーク」を守るため…石破さんが長期政権となれば「おやじネットワーク」は崩壊、必死で守るでしょう。
ただ、世代交代が進めば、飲み会が基盤の「おやじネットワーク」徐々に終焉を迎えると思います。

自民党同様、会社にも「おやじネットワーク」は存在します。今回の総裁選、他山の石ではありません。皆さんどうしますか?

今回はあくまでも「私見」です。ではまた次回


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