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警官の掟 佐々木譲 読書感想 ネタバレ有


過去の事件で助けた・助けられた同期警察官を軸として進む物語。
物語は、それぞれ別の視点・二軸で進んでいく。
ダラダラと片方だけの視点、切り替えて別視点という構成じゃないので
読んでいて、私は整理が付けやすい。
行動時間軸も、ほぼ同じタイミングで進めてるのでズレが無いのは楽だ。

ヤクザ殺しを疑われている半グレや外国人女性死体遺棄の事件等の
流れや、過去に起きた別件の中学教師溺死事件から現職警察による
犯行で、私は犯人は元上司かと思ったけど全然違った。
子供を殺された親の私怨的復讐と警察官としての犯罪を許せない感情が
暴走した結果かと思ってたけど、私が予想していた犯人でもなかったし
その子供も死んでなく、全くのシロだったので私は刑事にはなれないなと。

犯人は判明してからの流れは割と性急だったけど、時間の流れを想像すると
あの速度感が無いとリアリティに欠けるので個人的には面白かった。
ラストは賛否両論あると思うけど、同期の心情を慮るとあのラストで良かったと思う。被疑者死亡で終わらすのが警視庁的にも収まりが良いかと。
送検・起訴されてたら、現職警察官の極刑判決が出るだろうからね。

この作者の作品は初めて読んだけど、非常に面白かったので
今後も読んでみたいと思う。