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偏見が行動を限定させる。どう突破する!?

郡山 大樹 /コンサルティング営業部マネージャー

カマスの実験

カマスは肉食性の魚でダイビングが好きな人たちの間ではバラクーダという英名で親しまれています。

さて、この実験は以下のような仕組みになっています。

■まず、空腹のカマスの群れを水槽に放す。
■次に、その水槽を透明な板で仕切る。
■最後に、カマスのいない方に餌になる小魚を放す。

以上。至ってシンプルです。

するとカマスは以下のような行動をとります。

透明な板に何度も体当たりをし、体に傷がつくまで体当たりを繰り返します。
何度も何度も愚かしいくらいに透明板にぶつかっていきます。
そして最後にはあきらめておとなしくなってしまいます。

そこで、実験は次の手順に進みます。

■透明な板をはずしてカマスが自由に小魚を食べられるようにする。

するとカマスはどのような行動を取るでしょうか。


↓ ↓


答えは、「動かず。
つまりカマスは小魚を捕まえにはいきません。

驚くべきことに小魚がカマスの目の前にやって来ても何の反応も示さず、そのまま餓死してしまいます。
これは、何度やっても同じ結果になるそうです。

何だか残酷な実験です。

実はこれは人間にもそのまま当てはめることが出来るそうです。

アメリカでこんな事件がありました。

内側からは開閉できない冷凍庫に閉じ込められた作業員が凍死したという事件です。港における作業中の事故だったようです。

翌日発見されたときにはドアを内側から何度も叩いた跡がありました。
しかしその後、驚くべき事実が判明します。事件当日、その冷凍庫の鍵は故障していて内側からも開けることができたというのです。
しかも、ドアを叩いた跡はあったのですが開けようとした形跡は見当たらなかったそうです。

このカマスの話と作業員凍死の話の共通点は「偏見」です。
偏見や思い込みが自らの行動を制約して死に至らせた例です。
目の前にある可能性を自らつぶしている。

会社においても同様のことがあり得るのではないでしょうか。

若手社員が頑張っていろいろと挑戦したがる横でリスクを負いたくない人達がそれを押さえ込む、せっかくのすばらしいアイデアを前例が無いことを理由に周囲の人達が否定する。

いずれ若手は動かないカマスになるでしょう。

でもその若手の前に立ちふさがる人たちには悪気がある訳ではありません。
今までの自分の常識と照らし合わせて良かれと思っているのです。

会社の中の透明板はきっと目に見えない社内ルールや古い慣習に当てはまると思います。何かを始めようとすると目の前に立ちふさがり全く先に進めなくなります。

そして最悪の場合、会社自体を滅びの方向に導いてしまうかもしれません。

さて、カマスの話に戻ります。
実は絶望感で動かなくなったこのカマス達を元気にする方法が一つだけあります。

それは・・・・

■何も知らない別のカマスを1匹水槽に入れる

これだけです。

新入りのカマスが大御馳走を食べまくっている姿を見て、死んだように動かなくなっていたカマスたちは徐々に動き出します。そしてまもなく餌に食らいつくようになります。

カマスの中で「どうせ食えない」という偏見が払拭されるためと考えられます。

会社でも様々な偏見を払拭する何者かが組織の中に現れると、その組織は一気に活気付く可能性を秘めている気がします。

具体的には・・・・

(1)新しい風を吹き込む人、つまり新入りカマスを入社させる。
(2)自らが新入りカマスになる。

方法はこの2つのどちらかでしょう。

世の中のほとんど全ての従業員が出来ることは(2)しかありません。

もしも、心当たりがあるようでしたら、まずは自らが新入りカマスになってみてはいかがでしょう。


自分で見たものを信じ、偏見に左右されず、自己限定もせずに、思いきりチャレンジしよう。

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